「邪魔したな」
「いや、楽しかったよ。また来い」
三人は、時雨の家から出た。
春に近づき始めた冬の空は、珍しく晴れている。
時雨のこの別荘は海辺にあるので、風が強くて冷たく、大変らしい。
「じゃ、またな」
三人は手を振り、時雨の家をあとにした。
と、そのときだった。
いきなりエンジンオンが轟いた。
見ると……十数メートル先に停まっていたスポーツカーが、ガタガタと震えていた。今にも走り出しそうだ。
そう、まさに走り出そうとしていた。
「…って、あぶねっ!」
即座に反応したのは、霧夜だった。
龍次と幸人を、自分の全体重をかけて押し退ける。直後、すぐ後ろを、あの車が猛スピードで駆け抜けていった。
しかし、それで終わりではなかった。
車は、急ブレーキをかけてスピンすると、そのまま、再び三人に襲いかかったのだ。
ここで、すぐに行動したのは、龍次の方だった。
「ふざけんな!ドリフト下手くそじゃねーか!」
そう怒鳴りながら、物凄い速さで銃を抜き、連続して発砲した。
弾丸は、1つもらさず車のタイヤにシュートした。
車が、勢い余って横転する。しかし、運転手は無傷らしく、もぞもぞと動いている。
「こーら、無関係なご家族に謝れ、ばか」
霧夜は余裕な表情で、車にちかづいた。
しかし。
運転手は、龍次の見覚えのある人物だった。
「……あれ、メアリーか?」
龍次が、さらりと当てた。
運転手は、男だった。
……と思ったら、男装した女性だったのだ。
しかも、パイレーツの一員であり、しかも霧夜と龍次とも面識のある、メアリーだった。
「メアリーじゃん!何してんの?……て、あぁ、煌龍末梢のためか」
霧夜は、他人事のようにさばさば言ってのけ、車の中を覗きこんだ。
と、ここで。
「いやっ!」
メアリーはいきなり、霧夜を突き飛ばした。
「どおおっ!?」
悲鳴なのかなんなのかよく分からない声を上げ、後ろに転びそうになる霧夜。それを気にすることもなく、メアリーは恐怖にひきつった顔で、車内から飛び出した。
そのときだった。
聞きなれた破裂音が、辺りに響き渡った。
……発砲の音だ。
それでも、メアリーは足を止めない。むしろ、全力で走った。
「ば、はか!」
「とまれっ!」
霧夜と龍次が口々に叫ぶ。
しかし、それはメアリーの耳に届かなかった。
再度破裂音が響き、メアリーは、力を失って倒れこんだ。
「いや、楽しかったよ。また来い」
三人は、時雨の家から出た。
春に近づき始めた冬の空は、珍しく晴れている。
時雨のこの別荘は海辺にあるので、風が強くて冷たく、大変らしい。
「じゃ、またな」
三人は手を振り、時雨の家をあとにした。
と、そのときだった。
いきなりエンジンオンが轟いた。
見ると……十数メートル先に停まっていたスポーツカーが、ガタガタと震えていた。今にも走り出しそうだ。
そう、まさに走り出そうとしていた。
「…って、あぶねっ!」
即座に反応したのは、霧夜だった。
龍次と幸人を、自分の全体重をかけて押し退ける。直後、すぐ後ろを、あの車が猛スピードで駆け抜けていった。
しかし、それで終わりではなかった。
車は、急ブレーキをかけてスピンすると、そのまま、再び三人に襲いかかったのだ。
ここで、すぐに行動したのは、龍次の方だった。
「ふざけんな!ドリフト下手くそじゃねーか!」
そう怒鳴りながら、物凄い速さで銃を抜き、連続して発砲した。
弾丸は、1つもらさず車のタイヤにシュートした。
車が、勢い余って横転する。しかし、運転手は無傷らしく、もぞもぞと動いている。
「こーら、無関係なご家族に謝れ、ばか」
霧夜は余裕な表情で、車にちかづいた。
しかし。
運転手は、龍次の見覚えのある人物だった。
「……あれ、メアリーか?」
龍次が、さらりと当てた。
運転手は、男だった。
……と思ったら、男装した女性だったのだ。
しかも、パイレーツの一員であり、しかも霧夜と龍次とも面識のある、メアリーだった。
「メアリーじゃん!何してんの?……て、あぁ、煌龍末梢のためか」
霧夜は、他人事のようにさばさば言ってのけ、車の中を覗きこんだ。
と、ここで。
「いやっ!」
メアリーはいきなり、霧夜を突き飛ばした。
「どおおっ!?」
悲鳴なのかなんなのかよく分からない声を上げ、後ろに転びそうになる霧夜。それを気にすることもなく、メアリーは恐怖にひきつった顔で、車内から飛び出した。
そのときだった。
聞きなれた破裂音が、辺りに響き渡った。
……発砲の音だ。
それでも、メアリーは足を止めない。むしろ、全力で走った。
「ば、はか!」
「とまれっ!」
霧夜と龍次が口々に叫ぶ。
しかし、それはメアリーの耳に届かなかった。
再度破裂音が響き、メアリーは、力を失って倒れこんだ。
