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縁〜つながり〜
- 慕われない神様の話。 -

神様が偉いなんて、誰が決めたんだ。
そりゃあ、恵比寿とか、人間に貢献しまくってるし。偉いだろうよ。
でも、全部が全部、そうじゃないことだって分かってるはずだろう?
貧乏神は偉いなんていう奴は、見たことねぇし。
でも、結局「神様は偉い」って括られるなんて、矛盾じゃないか。
まぁ、俺もそんな言われる神なんだけど。
捻くれ神とか、皮肉の神とか、そんな印象を持たれた貴方、わりかし近い。
俺は、縁切りの神だ。


「ひ、氷河様!これから宴会がありますので……‼︎」
「……配慮したいとこだけど、帰る」
「そ、そうですか!ざ、残念……です!陽様も悲しまれることでしょうね!」
「……じゃ」
会釈もせずに、その謙遜ばかりの女に背を向けた。
陽の奴にまで悲しまれなかったら、仕事仲間ってなんだという感情に浸るだろう。
陽は、縁結びの神だ。性別やら神の色やら、寒暖差を見た目からでも感じる。
名前も、氷と太陽だし。
縁結びの神である陽は、皆に慕われ、それに応えられるほどの技量がある。
縁切りである俺は、皆が避け、気を使い、今じゃこの有様だ。
「……ったく、面倒くせぇ」
紺色に近い短髪を、わしゃわしゃと掻いた。
「好きで切ってる訳じゃねぇっての」
腰に下げた、短剣に指先で触れる。


「……腹減った」
最近独り言が増えた気がするのは、気のせいではないだろう。
きっと宴会に行った天女やら神やらは、美味しい料理に舌鼓をうっている頃だろう。
腹の奥で、唸るような音が鳴る。
バッテリーが切れたかのように、俺はその場に倒れ込んだ。
ただ、それよりも不運だったことは、今いる場所が天界の端であったことだった。
つまり、俺は落ちた。

錯乱咲良です!この作品は、同じくこのサイトで活動していらっしゃる天ノ羽衣さんとの共同作品となっております!
個人でも2人とも小説を書いているので、よろしければそちらもどうぞよろしくお願いしますー
<2016/08/23 14:02 天ノ咲良@合作>消しゴム
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