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貴方にまた逢いたくて、けれどもう逢えなくて。
- 早く逢いたいよ。 -

1942年10月、日本軍は南太平洋のガダルカナル島で連合軍を相手に激戦を繰り広げていた。
1942年7月11日、軍令部は大海令二十号を発令。「大海令第十八号に基く連合艦隊司令長官の「ミッドウェイ」島攻略及大海令第十九号に基く連合艦隊司令長官の「ニューカレドニア」「フィジー」諸島並に「サモア」諸島方面要地攻略の任務を解く」これにより、第二弾作戦は破綻したが、日本軍は米豪分断を放棄せず、ラバウル基地へ航空隊を移動させた。

その頃本土では、ミッドウェー海戦の勝利を信じて喜ぶ者や、それを疑う者の2つの人種に分かれていた。そんな中、町中で2人の女性が話している。
「ねぇ、聞いた?ミッドウェーでの戦いもまた、日本の兵隊さんが勝ったんだって」
「聞いた聞いた、すごいわよね、日本軍は。このままじゃあ、あと半年で戦争終わるかも」
2人は完全に軍令部による洗脳を受けていた。軍令部はミッドウェーでの敗北を隠すために、
ミッドウェーで戦い生き残った搭乗員や艦の乗組員を南太平洋に送った。それが原因となって、
ガダルカナル島での戦いで熟練搭乗員を失ったのだと私は思う。
その2人の話に、もう1人の女性が入ってきた。彼女は金田ゆかりといい、海軍中将の妻であった。彼女は日本軍のミッドウェー海戦勝利というのに疑いの気持ちを抱いていた。
「なら、どうして兵隊さんは帰ってこないのかしら。不思議に思わない?」
ゆかりはそう言うが、2人は気にもせず
「大丈夫大丈夫! きっと占領したミッドウェーでお酒でも飲んでるのよ!」
と笑い飛ばす。ゆかりは顔を暗くして
「……そうね」
とだけ言い、買う物を買って帰って行った。
薄暗い家に戻り、ゆかりは買ったものを卓袱台の上に置いて座る。
「本当に……勝ったの? ……早く帰ってきてほしいなぁ……」
そう言い、上を向く目は暗かった。が、ほんの僅かに光があった。

1942年11月14日、ラバウル。
「家族の為にも、必ず帰還しろ。ガダルカナルへの道は遥かに遠い、燃料には気をつけ、零戦隊は無理な戦闘を避けろ、ただし中攻隊の防衛も怠るな。……時間だ、航空隊は出撃せよ」
そう声を上げているのは金田だ。彼の顔も疲れ切っていた。
「了解!」
ハッキリ答えた搭乗員達は駆け、自分の飛行機に乗り込む。ガダルカナルへの距離は、零戦の燃料で往復がやっとな距離だ。巡航速度では7時間以上掛かるのだ。そんな長時間を飛行機に乗っており、その全ての時間が死と隣り合わせ、それをほぼ毎日繰り返すのだ。この頃から、未帰還機が増えてきた。ラバウルの撃墜王、若いけれども空戦の達人だった搭乗員も未帰還となった。
日本軍は確かに劣勢だったのだ。
「そろそろ、搭乗員の疲労も考えることを具申します」
「それもそうだが、それ以上に優先すべきはガダルカナルの死守だ。もう少し耐えてもらわなければいけない」
「そうですか……」
金田は基地司令官に意見を言いに行ったが、司令はそれを拒んだ。
その日の未帰還機は零戦7機、一式陸攻4機だった。一式の場合は7人乗りで、28人の命が
1日で一気に失われたのだ。ラバウルの搭乗員・飛行機の数は、限界を迎えようとしていた。

そして、ついに運命の日 11月15日を迎えようとしていた。

こういう悲しい話もいいかなぁと思って。次で完結すると思ふ
<2016/08/23 18:59 伝説のゆかりんlover>消しゴム
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