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君が消えた世界で


あの日、それは突然起こった。
それぞれが好きなことをして、過ごしていた日。
......え?
いつものことだって?

......うん、そう。
たくさんある日の一日と言ったような、何でもない日。

僕はいつも通り、友達に会いに路地裏に行こうとしていたんだ。
すると、ふと、気配を感じて上を見上げた。

「......クソ松?」

そこにあったのは、僕の大嫌いな兄貴、カラ松の姿。
アイツは全身包帯の姿だった。



「何でアイツ、......それに屋上...... ?何であんな所に......。」

すると、ポツリと雨のようなものが上から降ってきた。

......雨?
雨なんか降ってないはずなのに......。



しばらく上を見上げていると、ふと、違和感に気づいた。

......おかしい。
確かにアイツは屋上にいる。

だけど、¨柵を乗り越えた状態¨で、だ。

「......は?」

嫌な予感が頭をよぎる。

......まさか。

「きゃあああああぁああっ!!」

......まさか。

ドスッと言う鈍い音とともに、女性の甲高い悲鳴が聴こえる。

冗談、だよな。

そんな分け、ない。

だけど、こんなときだけ、僕の感は当たったようで。






......人のすすり泣く声が聞こえる。
おそ松兄さんも、チョロ松兄さんも、十四松も、トド松でさえも泣いている。

父さんが持っている遺影には、クソ松のバカみたいなドヤ顔。

「カラ松ぅ......うぅ。」
「冗談だろ、カラ松......。」
「カラ松兄さぁん......」
「...嘘でしょ、兄さん。」

僕たちが今着てるのは、みんなお揃いのパーカー、ではなく、真っ黒な、一般的に喪服と呼ばれる服で。

あの日から3日が経った今日、アイツの葬式が行われた。



飛び降り自殺、だった。

なぜ自殺だと分かったかと言うと、遺書、があったから。

遺書には、こう書かれていた。
[みんな、ゴメンな]

僕はフラりと立ち上がる。

それに気づいたおそ松兄さんが、「おい一松。どこいくんだよ」と僕に言った。

「ちょっとだけ、外の空気吸ってくる。」

「あぁ、そう。」

いつもはバカみたいに明るいのに、今はいつもの笑顔が消えている。
アイツが死んだと言う現実を受け止めたくなくて、俺は足を急いだ。



いくあてもなくさ迷っていると、着いたのはアイツが自ら死を選んだ場所。

気づいたら無意識に螺旋階段を上っていた。
カツンカツンと足音を響かせる。



俺ってホントバカだよね。
失った後で、大切なものに気づくんだ。
んで、後悔する。

アイツが死んだのは、確実に俺のせいだ。

¨ウザイ¨消えろ¨死ね¨

いろんな言葉をアイツにぶつけた。








<2016/08/28 15:26 ラジカル>消しゴム
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