再びやってきた、この時間。
私は少し急いで準備を終わらせ、家を出た。
そこにはもう、大希の姿が。
「おはよ。ごめんね」
「大丈夫?」
その言い方が、何となく海斗っぽかった。
それに笑顔で頷く。
大希も笑ってくれて、私達は学校へと向かった。
海斗となら、手繋いだりしてるんだろうな、なんて考え
ながら。
「あっ、海斗だ」
「え?」
「ほら、そこ」
大希の目線の先を辿れば、確かに海斗が居た。
「かーいとっ」
私が手を振れば、海斗も振り返してくれた。
左手を。
海斗は左利きだし、全然おかしくないんだけど、生活する事の殆どは右。
書いたり食べたりするのは左なんだけど、それ以外は全部右。
ちょっと変わってる。
だから器用なのかな。
そんな、どうでも良いような事を考えていたら、大希は
海斗の方に居た。
「も〜っ!」
「何」
「何でおいてくかな」
「珠希がなかなか来ねぇからだろ」
盛り上がってきたこの頃に聞こえる、海斗の笑い声。
はい、終わりね。
「あの、里咲は?」
「まだ、会ってないけど…」
とりあえず「ふ〜ん」と頷いておく。
結構、怒らせちゃったのかな。
そりゃそうか。
好きな人、取られたんだもんね。
何であんな事言っちゃったんだろう。
昨日、海斗と里咲の間に何も無ければ良いけど。
そしてまた置いて行かれてる私。
「待ってってば〜っ」
海斗の背中に飛び乗る。
「わっ」
「大丈夫〜?」
「あ、うん。ごめん」
「降りよっか?」
「大丈夫。大希、持って」
ちゃんと背負ってくれる優しい海斗くん。
「じゃあ私も〜」
「珠希は自分で持て」
「少しでも軽い方が海斗が楽でしょうよ」
ため息を吐きながらも持ってくれる大希。
どうせ、海斗の為なら〜、とか思いながらなんでしょう
けど。
「里咲来た」
「嘘っ」
慌てて海斗の背中から降りた。
「里咲っ」
呼んでみても、返事どころか立ち止まりもしない里咲。
これ、残りの学校生活どうなるの?
私と里咲はこの二人の所属する、テニス部のマネージャー。
残りをずっと関わらずに生活するなんて事は出来ない。
少しでも早く仲直りしないと。
「ちょっと待ってて」
二人にそう言い残し、私は里咲の元へと走った。
昇降口に、里咲は居た。
「里咲」
言葉も笑顔も無いけど、視線は返ってきた。
「海斗の事、そんなに怒ってるの?」
「別に」
「それは本当に悪いと思ってる。私にはそのままで良いよ。けど、二人の前では、もう少し……」
なんて自分勝手なんだろう。
自分で勝手に怒らせて、もう少し普通に、だなんて。
「私は別に何も考えてないから」
「嘘っ、海斗の事、好きなんでしょ?」
「大好きだよ。珠希には、負けない…」
朝から泣きそうな里咲の声。
そして、初めての呼び捨て。
「だから、だから言ったでしょ?余計な事しないでって、
海斗くんが私を見なくなるような事しないでって……」
珠希が、それを守ってくれなかったから…、と続けた里咲。
「ただ、それだけの事…」
「里咲っ」
「もう私の事は放っといてっ!」
今にも泣きそうな声で、叫ぶようにそう言い残し、再び
歩き出す里咲。
私の頬には、一筋の涙が流れた。
自分でやった事なのに。
自分で、ここまで導いたのに。
分かってたはずなのに。
あそこでああ言えば、里咲がこうなる事くらい。
「みき?」
優しく、ゆっくりとした海斗の声が呼ぶ。
「海斗、ごめん……」
「何で?」
「みんなの事、巻き込んじゃう……」
私があの時、変に素直になったから。
里咲が言ってた事、守れなかったから。
それだけの事で、みんなの事も……
そう思うと、自然と涙が頬を伝った。
「巻き込むって、何が?」
その声に振り向けば、海斗の隣には大希が立っていた。
「だい、き……」
これで、大希にも全て知られてしまった。
そう、思った。
私は少し急いで準備を終わらせ、家を出た。
そこにはもう、大希の姿が。
「おはよ。ごめんね」
「大丈夫?」
その言い方が、何となく海斗っぽかった。
それに笑顔で頷く。
大希も笑ってくれて、私達は学校へと向かった。
海斗となら、手繋いだりしてるんだろうな、なんて考え
ながら。
「あっ、海斗だ」
「え?」
「ほら、そこ」
大希の目線の先を辿れば、確かに海斗が居た。
「かーいとっ」
私が手を振れば、海斗も振り返してくれた。
左手を。
海斗は左利きだし、全然おかしくないんだけど、生活する事の殆どは右。
書いたり食べたりするのは左なんだけど、それ以外は全部右。
ちょっと変わってる。
だから器用なのかな。
そんな、どうでも良いような事を考えていたら、大希は
海斗の方に居た。
「も〜っ!」
「何」
「何でおいてくかな」
「珠希がなかなか来ねぇからだろ」
盛り上がってきたこの頃に聞こえる、海斗の笑い声。
はい、終わりね。
「あの、里咲は?」
「まだ、会ってないけど…」
とりあえず「ふ〜ん」と頷いておく。
結構、怒らせちゃったのかな。
そりゃそうか。
好きな人、取られたんだもんね。
何であんな事言っちゃったんだろう。
昨日、海斗と里咲の間に何も無ければ良いけど。
そしてまた置いて行かれてる私。
「待ってってば〜っ」
海斗の背中に飛び乗る。
「わっ」
「大丈夫〜?」
「あ、うん。ごめん」
「降りよっか?」
「大丈夫。大希、持って」
ちゃんと背負ってくれる優しい海斗くん。
「じゃあ私も〜」
「珠希は自分で持て」
「少しでも軽い方が海斗が楽でしょうよ」
ため息を吐きながらも持ってくれる大希。
どうせ、海斗の為なら〜、とか思いながらなんでしょう
けど。
「里咲来た」
「嘘っ」
慌てて海斗の背中から降りた。
「里咲っ」
呼んでみても、返事どころか立ち止まりもしない里咲。
これ、残りの学校生活どうなるの?
私と里咲はこの二人の所属する、テニス部のマネージャー。
残りをずっと関わらずに生活するなんて事は出来ない。
少しでも早く仲直りしないと。
「ちょっと待ってて」
二人にそう言い残し、私は里咲の元へと走った。
昇降口に、里咲は居た。
「里咲」
言葉も笑顔も無いけど、視線は返ってきた。
「海斗の事、そんなに怒ってるの?」
「別に」
「それは本当に悪いと思ってる。私にはそのままで良いよ。けど、二人の前では、もう少し……」
なんて自分勝手なんだろう。
自分で勝手に怒らせて、もう少し普通に、だなんて。
「私は別に何も考えてないから」
「嘘っ、海斗の事、好きなんでしょ?」
「大好きだよ。珠希には、負けない…」
朝から泣きそうな里咲の声。
そして、初めての呼び捨て。
「だから、だから言ったでしょ?余計な事しないでって、
海斗くんが私を見なくなるような事しないでって……」
珠希が、それを守ってくれなかったから…、と続けた里咲。
「ただ、それだけの事…」
「里咲っ」
「もう私の事は放っといてっ!」
今にも泣きそうな声で、叫ぶようにそう言い残し、再び
歩き出す里咲。
私の頬には、一筋の涙が流れた。
自分でやった事なのに。
自分で、ここまで導いたのに。
分かってたはずなのに。
あそこでああ言えば、里咲がこうなる事くらい。
「みき?」
優しく、ゆっくりとした海斗の声が呼ぶ。
「海斗、ごめん……」
「何で?」
「みんなの事、巻き込んじゃう……」
私があの時、変に素直になったから。
里咲が言ってた事、守れなかったから。
それだけの事で、みんなの事も……
そう思うと、自然と涙が頬を伝った。
「巻き込むって、何が?」
その声に振り向けば、海斗の隣には大希が立っていた。
「だい、き……」
これで、大希にも全て知られてしまった。
そう、思った。
