長い夜は開け、朝が来た。
適当に髪をとかし、ソファーに放り投げたように置かれた
バッグを手に取り、家を出た。
「わっ!か、海斗?」
朝から驚かせないでよ。
最近、大希も来てないから凄いビックリした。
「驚かせちゃった?」
「ほんっとに。もう。行くよ?」
笑いながら少し前を歩く私の隣につく海斗。
私はその海斗を見て、やっぱり違和感を感じた。
「あの、海斗?」
「ん?」
「右腕?右肩?何かした?」
「いや?今ね、左利きキャンペーンやってんの」
おかしいでしょ。
キャンペーン。
どんなキャンペーンよ。
ってか、海斗は元々左利きだし。
「ねぇ、何かあったなら言ってよ」
海斗の体を前後に揺さぶる。
それに、何か返事が帰ってくる事はなかった。
相変わらずしつこい私は、諦めずに続けた。
「心配とか迷惑とか?何考えてるか知らないけど、
マネージャーとして、彼女、として。気になるの…」
「珠希、一回、離して……」
「話は、その後…」という呟くような声が聞こえ、海斗の
肩から手を下ろす。
「どうしたの?」
「少し前にも言ったけど、暫く、テニスは休む…」
聞いた事はある事だったけど、何でもない、なんて
言われた時にはどうなってたか。
少し待っていれば、海斗は再び口を開いた。
「肩、何かやったみたいでさ」
自分でも分からないんだけど、と笑う海斗。
あまり、自然ではないけど。
「まぁ、どうせすぐ治るだろうし。俺自身、あまり気に
してないしさ」
「そ、う……」
笑って頷き、再び歩き出した海斗を呼び止めた。
優しい表情で振り返る海斗。
「だから、だから最近、右使ってないの?」
「あぁ、悪化させない為にね?」
「そう、なんだ…」
海斗は頷き、再び歩き出した。
私もそれを追うように歩き出す。
「大希に……」
「俺の事は」
初めて海斗に言葉を遮られた。
よっぽど言いたい事があるのだろう。
私は隣を歩く海斗の、少し上にある綺麗な顔を見た。
それを感じてか、続ける海斗。
「気にしなくて良いから」
「でも…」
「大希には、もう言ってあるから」
「そっか」
海斗は頷いた。
良かったよ。
大希に、ちゃんと言えてて。
大希には、本当に全部言ってるんだね。
私は安心して、学校へ向かって歩き出した。
今日は朝から何度立ち止まった事だろう。
適当に髪をとかし、ソファーに放り投げたように置かれた
バッグを手に取り、家を出た。
「わっ!か、海斗?」
朝から驚かせないでよ。
最近、大希も来てないから凄いビックリした。
「驚かせちゃった?」
「ほんっとに。もう。行くよ?」
笑いながら少し前を歩く私の隣につく海斗。
私はその海斗を見て、やっぱり違和感を感じた。
「あの、海斗?」
「ん?」
「右腕?右肩?何かした?」
「いや?今ね、左利きキャンペーンやってんの」
おかしいでしょ。
キャンペーン。
どんなキャンペーンよ。
ってか、海斗は元々左利きだし。
「ねぇ、何かあったなら言ってよ」
海斗の体を前後に揺さぶる。
それに、何か返事が帰ってくる事はなかった。
相変わらずしつこい私は、諦めずに続けた。
「心配とか迷惑とか?何考えてるか知らないけど、
マネージャーとして、彼女、として。気になるの…」
「珠希、一回、離して……」
「話は、その後…」という呟くような声が聞こえ、海斗の
肩から手を下ろす。
「どうしたの?」
「少し前にも言ったけど、暫く、テニスは休む…」
聞いた事はある事だったけど、何でもない、なんて
言われた時にはどうなってたか。
少し待っていれば、海斗は再び口を開いた。
「肩、何かやったみたいでさ」
自分でも分からないんだけど、と笑う海斗。
あまり、自然ではないけど。
「まぁ、どうせすぐ治るだろうし。俺自身、あまり気に
してないしさ」
「そ、う……」
笑って頷き、再び歩き出した海斗を呼び止めた。
優しい表情で振り返る海斗。
「だから、だから最近、右使ってないの?」
「あぁ、悪化させない為にね?」
「そう、なんだ…」
海斗は頷き、再び歩き出した。
私もそれを追うように歩き出す。
「大希に……」
「俺の事は」
初めて海斗に言葉を遮られた。
よっぽど言いたい事があるのだろう。
私は隣を歩く海斗の、少し上にある綺麗な顔を見た。
それを感じてか、続ける海斗。
「気にしなくて良いから」
「でも…」
「大希には、もう言ってあるから」
「そっか」
海斗は頷いた。
良かったよ。
大希に、ちゃんと言えてて。
大希には、本当に全部言ってるんだね。
私は安心して、学校へ向かって歩き出した。
今日は朝から何度立ち止まった事だろう。
