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ひとつ、願いが叶うなら 〜明日の記憶〜


里咲とは一言も話さずに学校が終わり、私は大希と自分の部屋に居る。

「珍しいじゃん。珠希が誘ってくれるなんて」

「別に?ただ、何となく…」

「海斗と何かあったか?」

右下辺りのカーペットから、左上辺りの大希の顔へ視線が移る。

「どれだけ嘘つけねぇんだよ。何があった」

「何でも無いわよ」

私は再び右下辺りへ視線を落とした。

海斗は、もう自分で言った、って言ってたし、私から
わざわざ出すような話題でもない。

「何かあったら言って欲しいんだけどなぁ」

その声と同時に少し沈むベッド。

同時に、隣に感じる暖かみと、人の気配。

「海斗から、何か聞いた?」

「うん。肩、何かやっちゃったみたいだね…」

その言葉に、驚いたような視線を返す大希。

私はきっと、それ以上。

暫くその状態が続いた後、大希から落ち着き、何があったの?と聞く。

「えっ、海斗から、聞いて、ないの?」

「肩の事なんて、何も……」

「そう、なんだ。肩、やっちゃったから暫くテニスは休む
みたい」

「何で言ってくんねぇかな」

「けど、私達に出来る事もないんだよね……」

その言葉で、少し重い沈黙が流れた。

私はいつもそう。

そんな雰囲気にして、後悔して何か話し出す。

それも結局持たず、盛り上がらず。


<2016/08/30 10:55 秋の空>消しゴム
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