昼休みになれば、今朝俺が作り出してしまったあの空気は
綺麗に去り、穏やかな空気が流れていた。
「零」
少し緊張を含んだ榊さんのその声に、視線を彼女へ向ける。
「今日、暇だったりする?」
「うん。多分…」
「色々話したい事があるの」
「はなし…?」
弱々しく聞き返せば、穏やかな表情で頷く榊さん。
それに、不安を覚えた。
家の事を聞かれるのではないか、そんな不安に。
家のことを知った人は皆、その後普通に接する事はなくなる。
榊さんとそんな関係になるのは。
そんなふうに関わっていくのは。
嫌だった。
「大丈夫。もう家の事も、場所も。何も聞かないから」
この方、考えてる事が分かるのかな。
「だから、そんなに暗い顔しないで?」
「すみません…」
「ううん。零には、笑ってて欲しいだけ。零の笑顔は、
素敵だから」
そんな事を言われたのは初めてだった。
こんなふうに感じて良いのか分からないけど、凄く嬉し
かった。
家で笑う事は殆ど無い。
というか、笑うような事なんて起こらない。
それが、俺の暮らす、『南城家』だった……
綺麗に去り、穏やかな空気が流れていた。
「零」
少し緊張を含んだ榊さんのその声に、視線を彼女へ向ける。
「今日、暇だったりする?」
「うん。多分…」
「色々話したい事があるの」
「はなし…?」
弱々しく聞き返せば、穏やかな表情で頷く榊さん。
それに、不安を覚えた。
家の事を聞かれるのではないか、そんな不安に。
家のことを知った人は皆、その後普通に接する事はなくなる。
榊さんとそんな関係になるのは。
そんなふうに関わっていくのは。
嫌だった。
「大丈夫。もう家の事も、場所も。何も聞かないから」
この方、考えてる事が分かるのかな。
「だから、そんなに暗い顔しないで?」
「すみません…」
「ううん。零には、笑ってて欲しいだけ。零の笑顔は、
素敵だから」
そんな事を言われたのは初めてだった。
こんなふうに感じて良いのか分からないけど、凄く嬉し
かった。
家で笑う事は殆ど無い。
というか、笑うような事なんて起こらない。
それが、俺の暮らす、『南城家』だった……
