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夢が叶う その時に


今日は流石に、朝から榊さんに会う事は出来ず、一人で
学校に来た。

席で眺めるのは、左手に乗った、このストラップ。

俺と榊さんを近付けた、遠ざけようとする人間との関わりを証明するような、このストラップ。

近付けるだけ近付けて、後で引き裂くように遠ざける。

きっと、そんな物になるのだろう。

もし、本当にそうなるのなら。

最初から榊さんとは、関わらない方が、近付かない方が。

お互いの、為かも知れない。

「零、大丈夫?」

「あっ、榊、さん…」

「大丈夫?」

「うん…」

そんなふうには、自分にすら聞こえないけど。

「おはよ。零、今日一人で来たの?」

夏海さんが斜め前の席で振り返る。

この方もいつも元気で。

「うん。ごめん」

「全然良いんだよ?」

何となく頭を下げておく。

返答に困れば、こうする。

夏海さんの程良い長さの髪が視界の端で動き、前を向いた事を確認した後、淡い紫色のデイジーが入った、確かに
見た目は綺麗なストラップを鞄に入れる為、席を立った。

小さなガラスの中に入れられた、この花の花言葉。

『平和』『希望』

我が家に、そんなモノは無い。

我が家の理想のカタチ、という意味かな。

南城家の人間が、これを持っているのは。

中の花は違うけど、あの人も……

<2016/09/03 13:59 秋の空>消しゴム
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