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夢が叶う その時に


まだあまり慣れない高校生活。

とりあえず目立たないよう、真面目風に過ごすだけ。

そんな時間を過ごしていたら、昼休みを終え、私は掃除を
していた。

そしてチョークの粉で汚れた、雑巾とバケツの水を洗おうと雑巾をバケツの中へ放り投げようとした時。

一人の男の子が立っていた。

「わっ、何?」

「榊さん、だよね?」

「そうだけど…」

驚きを隠せないままそう返せば、彼は微笑んだ。

暖かな太陽の似合うような、太陽に照らされた花が似合うような、とにかく綺麗な笑顔で。

「ありがとう」

「えっ?」

急にお礼言われるとか、何となく怖いけど。

「これ、拾ってくれたよね」

そう言って彼が見せてくれたのは、今朝拾ったストラップ。

ここまで変わった物なら流石に覚えてる。

それを確認した後、頷いた。

「ただ、お礼が言いたかっただけ。ごめんね」

「あぁ、いや……」

こんな男の子、居たっけ。

なんて考えながらバケツと一緒に教室を出た。


流しに着き、そこに勢い良く、白く濁った水を流す。

まだ新しいからか、やたら丁寧に雑巾を洗った。

「美桜ちゃん?」

そう声を掛けてくれたのは、まだ仲の良い方の女の子。

「ん?」

「偉いね。そんなに丁寧に雑巾洗うなんて」

「まだ新しいからだと思うよ?自分でも分かってないっていう」

雑巾を絞りながら言うと、その子は笑ってくれた。

とりあえずその子に、じゃあね、と言っておき、教室へ
戻った。


適当にバケツを片付け、雑巾を掛けて席に着いた。

「美桜っ」

「夏海?」

この子も結構仲の良い子。

さっきの子より、全然良いかも。

「午後、乗り切る自信ある?」

「全く?」

「だよねぇ。早く帰りたいよ〜」

「そうだね〜。一緒に帰ろ?」

夏海は笑顔で頷いてくれた。

帰る気満々になった頃、先生はやって来る。

午後の授業が始まる合図。

午前中だけで良いのに……

帰りたいという頭とは全く違う行動に出る、不思議な体。

真面目に、教科書、ノート、ペン。

色々、勉強に必要な物を机に広げていく。

そして始まった、午後の授業。


<2016/09/01 16:57 秋の空>消しゴム
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