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夢が叶う その時に


再びやってきた朝。

そんな必要もないのに、お母さんに急かされ慌てて準備を
終わらせ、同時に家を飛び出す。

「うーっわ!」

家を出た所に、零が立ってた。

「おはよう」

「お、はよ…」

そう言えば。

私には一つ、零に聞きたい事があった。

「零、今も持ってる?」

「何が?」

「あの、ストラップ」

「うん。はい」

本当、この人透視できるレベルだ。

素直にお礼は言えず、軽く頭を下げておく。

そして、遂に拝見。

特に、裏。

文字の大きさ、形、全てが同じだった。

色は、花の色や雰囲気に合わせてか、違うけど。

それ以外は、昨日見たあのストラップと全て同じだった。

「み、美桜?」

「えっ、あぁ、ごめんごめん」

「いや…」

「これって、どっかのブランドか何かの?」

零の綺麗な手に綺麗なストラップを返しながら聞いた。

「どうなんだろう…」

「そっか。え、誰かと一緒に作ったとか、そういうんでもない?」

「憶えてないだけかも知れないけど…」

昨日の夜、自分でも怖い程『R.N』について調べた。

難しい言葉ばかり出てきて、何も情報は得られなかった
という事は、有名なブランドとか会社、という事でも
なさそう。

だとすると?

やっぱり誰かと一緒に作ったか。

「あと一つ、良いかな」

「答えられたら…」

その言葉に頷き、質問を投げ掛けた。

「R.Nってそれ、零のイニシャル?」と。

「う~ん、本当、何も分かってないからね。え、これが
どうかしたの?」

もう言ってしまおう。

「昨日ね、それにそっくりのストラップを見つけたの。
中に入ってる花は、種類は分かんなかったけど、色は
真っ赤だった。凄い濃い赤」

「えっ、その花、秋桜じゃなかった?」

「コスモス?」

何か聞いた事はあるけど、花の名前かな。

本当、女の子らしい所がなくて。

普段、それによる不自由は何一つない。

けど、こういう話になった時、ちょっと困る。

「こういう花なんだけど……」

零、早い。

携帯で出してくれた画像を確認すれば、昨日見た花に
似てるような気もした。

「真っ赤だと、これくらい?」

表示する画像を変え、もう一度見せてもらうと、確かに
あの花だった。

「そう!この花!」

朝からうるさい私と、冷静に頷く零。

「あの、それ、どこで見た?」

「昨日、夏海と別れてから少し歩いた所で」

「夏海とはどこで別れるんだっけ」

「行ってみる?見つけたとこ」

珍しく頷く零。

私は学校からあの場所へと、行き先を変更した。

早めに家を出て良かった。


少し歩いてその場所に着いたけど、もうそこには、あの
ストラップは無かった……

<2016/09/03 21:11 秋の空>消しゴム
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