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夢が叶う その時に


教室に着けば、とても悲しそうな零の顔が目に入った。

声を、掛けたくなるような。

「零?」

掛けちゃった、けど。

「み、お…」

「どうした?」

何でも無い、と首を振る零。

そんな事ないでしょ。

見れば分かるよ。

「ねぇ、れ……」
「良いから」

私の言葉を遮る零の声に、素直に黙った。

と言うより、驚きから勝手にそうなった、って感じかな。

「おれの事は、気にしないで…」

気にしない

それが出来たら、どれだけ簡単だろうか。

それが出来ないから、喧嘩したり、ギスギスしたりする。

相手が放っといて欲しくても、それが出来ないから。

放っとけるなら、もうとっくにそうしてる。

あの、零のストラップを初めて見付けた、あの日から。

「おれは、大丈夫だから」

そう言って、綺麗な手で綺麗なあのストラップを握る零。

その姿を見てるのが辛くて、私は零から目を逸らした。

こんな時に、零に全てを話させてあげられたら、何か
変わるのかな。


<2016/09/04 21:49 秋の空>消しゴム
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