『分かってるよね?零は、凜花と今後、未来を。生きていくの』
昨日、凜花が言った、あの言葉。
本当に、その通りになってしまうのだろうか。
これは、どちらの力を発揮してくれるのだろう。
あの日のように、美桜と近付けてくれるのか、彼女達との
関わりを示す物としての、役割を果たすのか。
昼休み、俺は左手の中にある、俺と美桜がここまで近付く
きっかけとなってくれた、あのストラップを眺めていた。
窓の前で、夏の風に吹かれながら。
その時、後ろからそっと抱きつかれ、背中に暖かみを感じた。
求めている暖かみとは、少し違うそれを。
「零、大丈夫だよ。凜花達の未来、将来は決まってるの」
ゆっくりと、やけに優しく言う凜花。
凜花はその口調のまま、「だから、慌てないで良いの」と
続けた。
その言葉に、何も返せなかった。
嫌だった。
凜花と、未来を生きるなんて。
これからを、過ごすなんて。
「零、変な事、考えないで?どんなにもがいても、凜花達の未来は変わらないの。大人しく、パパ達の言う事を
聞けば良いの」
そう言った凜花の声も、とても優しいものだった。
「嫌、です…」
我慢出来ず、彼女に対して生意気な口を聞いた。
「南城」
先程とは全く違う、低く鋭い、明らかに不機嫌な凜花の
声が飛んできた。
けど、一度そのような口を聞いてしまった以上、引き返す
訳にはいかない。
「俺に、そんな事は出来ません」
「言ったはずよね?どんなにもがいても、私達の未来は
変わらないの。運命には、逆らえないのよ?」
「中越さんは、それで良いと思ってるのですか?」
ゆっくりと凜花と向い合うように体の向きを変え、そう
聞いた。
「それが、家の為よ。分かってるわよね?私達は生きる為に生まれてきたんではなく、家の為に生まれてきた。
そんな事くらい」
これが、その証拠でしょ?と、あのお揃いのようなストラップを見せる凜花。
「これがある限り、私達の関係は絶えない」
もちろん、捨てる事も許されない、と低く表情の無い声で
続ける凜花。
「これを捨てれば、どうなりますか」
「貴方の家はもうオワリ。同時に、貴方が南城家の人間
である時間も、そこでオワリを迎えるわ?」
なら、こんな物はすぐにでも捨ててしまいたい。
あの居場所も無い、窮屈な南城家と別れられるのなら、
離れられるのなら。
「貴方、何を考えてるの?」
「いえ、ただ聞いてみた迄です」
「夢物語なんて描いてないで、ちゃんと将来の事考えなさいよ?まーあ?どんなに認めたくないと騒いでも、何も
変わってくれはしないけど」
低く、少しカッコイイとも思える声でそう言い残し、
教室を出て行った凜花。
そこに残された俺は、彼女が出て行ったドアを、暫く
眺めていた。
昨日、凜花が言った、あの言葉。
本当に、その通りになってしまうのだろうか。
これは、どちらの力を発揮してくれるのだろう。
あの日のように、美桜と近付けてくれるのか、彼女達との
関わりを示す物としての、役割を果たすのか。
昼休み、俺は左手の中にある、俺と美桜がここまで近付く
きっかけとなってくれた、あのストラップを眺めていた。
窓の前で、夏の風に吹かれながら。
その時、後ろからそっと抱きつかれ、背中に暖かみを感じた。
求めている暖かみとは、少し違うそれを。
「零、大丈夫だよ。凜花達の未来、将来は決まってるの」
ゆっくりと、やけに優しく言う凜花。
凜花はその口調のまま、「だから、慌てないで良いの」と
続けた。
その言葉に、何も返せなかった。
嫌だった。
凜花と、未来を生きるなんて。
これからを、過ごすなんて。
「零、変な事、考えないで?どんなにもがいても、凜花達の未来は変わらないの。大人しく、パパ達の言う事を
聞けば良いの」
そう言った凜花の声も、とても優しいものだった。
「嫌、です…」
我慢出来ず、彼女に対して生意気な口を聞いた。
「南城」
先程とは全く違う、低く鋭い、明らかに不機嫌な凜花の
声が飛んできた。
けど、一度そのような口を聞いてしまった以上、引き返す
訳にはいかない。
「俺に、そんな事は出来ません」
「言ったはずよね?どんなにもがいても、私達の未来は
変わらないの。運命には、逆らえないのよ?」
「中越さんは、それで良いと思ってるのですか?」
ゆっくりと凜花と向い合うように体の向きを変え、そう
聞いた。
「それが、家の為よ。分かってるわよね?私達は生きる為に生まれてきたんではなく、家の為に生まれてきた。
そんな事くらい」
これが、その証拠でしょ?と、あのお揃いのようなストラップを見せる凜花。
「これがある限り、私達の関係は絶えない」
もちろん、捨てる事も許されない、と低く表情の無い声で
続ける凜花。
「これを捨てれば、どうなりますか」
「貴方の家はもうオワリ。同時に、貴方が南城家の人間
である時間も、そこでオワリを迎えるわ?」
なら、こんな物はすぐにでも捨ててしまいたい。
あの居場所も無い、窮屈な南城家と別れられるのなら、
離れられるのなら。
「貴方、何を考えてるの?」
「いえ、ただ聞いてみた迄です」
「夢物語なんて描いてないで、ちゃんと将来の事考えなさいよ?まーあ?どんなに認めたくないと騒いでも、何も
変わってくれはしないけど」
低く、少しカッコイイとも思える声でそう言い残し、
教室を出て行った凜花。
そこに残された俺は、彼女が出て行ったドアを、暫く
眺めていた。
