暫く声を出さずに泣いていた凜花が小さく咳き込んだ時、
俺達の時はやっと動き出した。
「大丈夫?」
目元を拭いながら小さく頷く凜花。
時が動き出せば、俺達も動き出した。
近くにあった、ベンチに向かって。
「何か、飲む?」
「ココア…」
「了解。座ってて」
「えっ?」
ベンチから、不思議そうな顔で視線を俺に移す凜花。
「ん?」
「零くん、優しいんだね」
「そんな事ないよ」
凜花はいつもより、全然 自然な笑みを浮かべ、一部自分の涙で濡れた上着の敷かれたベンチに座った。
それを確認し、近くの自販機に向かった。
お金を入れる所で、無意識に止まる右手。
この手で、彼女を撫でたのだと思うと、何となく。
美桜に出来なかった事を、凜花にしたのだと。
そんな事を考えている自分がバカみたいで、ため息が出た。
数秒間止まった右手を動かし、凜花の好きなココアを買い、待たせているベンチに戻った。
買ってきたそれを差し出しても、全く動かない凜花。
「大丈夫…?」
ビックリした?と自然すぎる笑みを浮かべて顔を上げ、
嬉しそうに受け取ってくれた凜花。
凜花の言っている事とは少し違う事に、驚いている。
彼女の自然な笑顔が、やたらと美桜に似ていて。
「零くん?」
「何でもないよ」
そう言って凜花の隣に座った。
こうしていると、付き合っているように見えるのかな、
なんて思いながら。
少し前の辺りを眺めていると、温かいね、という声と同時に、ココアの甘い香りがした。
「そう、良かった」
「ごめんね…」
隣から聞こえる、あまりにも悲しそうな凜花の声に、視線は凜花へと向いていた。
「凜花が、あんな変な事言ったから…」
「何が?」
「零くん、さっきから元気無い」
「そんな事ないよ」
そこで、俺達の会話は途切れた。
けど、訪れた沈黙も、そう長くは続かなかった。
「雪…」
「もう、そんな時期なんだね。寒い冬は、一緒に居ようね?」
その言葉に、頷く事も首を振る事も出来なかった。
結局、俺は黙った。
「帰ろっか」
「はい」
片腕に凜花の温もりの残る上着を持ち、片手にココアを
持って、公園を後にした。
大好きな美桜に似てきた、苦手な凜花と。
このまま、凜花を愛せますように……
俺達の時はやっと動き出した。
「大丈夫?」
目元を拭いながら小さく頷く凜花。
時が動き出せば、俺達も動き出した。
近くにあった、ベンチに向かって。
「何か、飲む?」
「ココア…」
「了解。座ってて」
「えっ?」
ベンチから、不思議そうな顔で視線を俺に移す凜花。
「ん?」
「零くん、優しいんだね」
「そんな事ないよ」
凜花はいつもより、全然 自然な笑みを浮かべ、一部自分の涙で濡れた上着の敷かれたベンチに座った。
それを確認し、近くの自販機に向かった。
お金を入れる所で、無意識に止まる右手。
この手で、彼女を撫でたのだと思うと、何となく。
美桜に出来なかった事を、凜花にしたのだと。
そんな事を考えている自分がバカみたいで、ため息が出た。
数秒間止まった右手を動かし、凜花の好きなココアを買い、待たせているベンチに戻った。
買ってきたそれを差し出しても、全く動かない凜花。
「大丈夫…?」
ビックリした?と自然すぎる笑みを浮かべて顔を上げ、
嬉しそうに受け取ってくれた凜花。
凜花の言っている事とは少し違う事に、驚いている。
彼女の自然な笑顔が、やたらと美桜に似ていて。
「零くん?」
「何でもないよ」
そう言って凜花の隣に座った。
こうしていると、付き合っているように見えるのかな、
なんて思いながら。
少し前の辺りを眺めていると、温かいね、という声と同時に、ココアの甘い香りがした。
「そう、良かった」
「ごめんね…」
隣から聞こえる、あまりにも悲しそうな凜花の声に、視線は凜花へと向いていた。
「凜花が、あんな変な事言ったから…」
「何が?」
「零くん、さっきから元気無い」
「そんな事ないよ」
そこで、俺達の会話は途切れた。
けど、訪れた沈黙も、そう長くは続かなかった。
「雪…」
「もう、そんな時期なんだね。寒い冬は、一緒に居ようね?」
その言葉に、頷く事も首を振る事も出来なかった。
結局、俺は黙った。
「帰ろっか」
「はい」
片腕に凜花の温もりの残る上着を持ち、片手にココアを
持って、公園を後にした。
大好きな美桜に似てきた、苦手な凜花と。
このまま、凜花を愛せますように……
