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夢が叶う その時に


いつからか、物凄い勢いで降っていた雨。

その雨が奏でる、ざあざあという音が響く暗いこの部屋。

俺はそこに、瀬楽さんと二人で居た。

この部屋には大分前から居るけど、俺も、瀬楽さんも。

全く口を開こうとしない。

「言えば良いじゃないですか」

そんな少し軽い彼の言葉が、今までの長く重い沈黙を破った

それに、彼の居るであろう方へ振り向いた。

良くは見えないけど、うっすら人影が確認出来た。

「榊様の事、好きなんですよね?なら言えば良いじゃないですか」

私も協力させて頂きます、という彼の声が、やたら良く
聞こえた。

「御二方は、私にお任せ下さい。おぼっちゃまは、中越様を、お願いします」

その言葉に、凜花?と聞こうとしたけど、それを言わせる前に部屋を出て行ってしまった瀬楽さん。

いつの間にか、雨の止んだ夜の外を眺めた。

雨上がりの厚い雲の向こう側から、月の姿が確認出来そう。

それを見て、思った。

この雲の向こうから見える月のように、いつか。

凜花や両親といった厚い壁を越えて、美桜の心の奥に眠る、彼女の本心を知れたら、と。


<2016/09/10 20:14 秋の空>消しゴム
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