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夢が叶う その時に


程良い緊張感に包まれながら、凜花の家への道を進んでいた時。

「れーーいっ!」

甲高い声で呼ばれたと思えば、凜花に飛びつかれた。

「うあっ、凜花…?」

待ってたよー、と、今日も俺の胸に顔をうずめる凜花。

「行こっか」

「うん…」



部屋に着いても興奮が収まらないように俺に抱きつき続ける凜花。

今日こそは、そんな凜花に別れを告げると、決めて来た。

「凜花」

「なあに?」

「俺は、美桜が好き」

急すぎたと、自分でも思った。

凜花も、頭の上に疑問符を浮かべて俺を見上げる。

「…ごめん。やっぱり俺、凜花と結婚なんて出来ない」

「そうなの?」

今日も、いつものように、落ち着いて、といった言葉を
何度も掛けられると思っていた。

けど、あっさり認められたような反応に、少し安心した時だった。

「別に良いよ。運命には逆らえないんだから」

そう、凜花が恐ろしく低い声で言ったのは。

「凜花と零は、未来を生きる運命なの。そう決まってるのっ」

少し明るくなった声でそう言い、抱きつく力を強める凜花。


運命。

そんなものを信じるくらいなら、俺は。

美桜と、あのストラップが起こしてくれた、奇跡を。

信じていたい。

運命なんて、そんなものは無い。

そう、信じている。

あったとしても、俺は。

そんなもの、変えてやる。

凜花と未来を生きるなんて、嫌だから。


俺は、美桜がくれた奇跡に、応えたい。

<2016/09/10 21:15 秋の空>消しゴム
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