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夢が叶う その時に


冬の夕陽に照らされ、冷たい家の門を開ける。


玄関に入れば、瀬楽さんが執事として出迎える。

「どうでした?」

彼の話しやすい声や言葉が言う。

「何かした?」

「何か」

不思議そうに聞き返す瀬楽さん。

「いや、何でもない。部屋に居る」

少し笑って言ったその言葉に返ってくるのは、彼の優しい笑み。

それを確認し、小さな安心に似た何かを感じた後、自分の部屋を目指して階段を上った。



いつものドアを開ければ、いつもの部屋はオレンジ色に染まっていた。

それが少し切なくて、ため息に似た息が出た。

オレンジ色の光が差し込む大きな窓を、真っ白なカーテンで隠す。

オレンジ色の光が遮断された所で、携帯で時間を確認した。

『カシャッ!』

いつか、美桜と海に行った日の事を思い出す。

その日の、その時のこの画面には、海をオレンジ色に輝かせながら沈む、大きな太陽を写していた。

今は、やっぱり時間と日付。

また、あんなふうに過ごしたい。


だから俺は、決めた。

あの日よりも、強く。


全てを敵に回すと。

そして、自由な身で。

美桜に本心を伝えると。

<2016/09/11 10:03 秋の空>消しゴム
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