おためし小説投稿

登録一切不要で小説投稿!
文字サイズ変更 
夢が叶う その時に


寒い冬。

部屋で一人、ベッドに寝て眺める天井。

まだ一日はこれからだという時間なのに。

今日の予定はなく、両親にも何も言われていない。

凜花が今、ご両親と戦っている頃なのだろう。

そして、うちに連絡が来て、遂に俺が戦う時が来る。

凜花がくれた、大きなチャンス。

それだけは、逃せない。

きっと、それが最後のチャンスだろうから。

それを無駄にする訳にはいかない。

凜花も夏海も巻き込み、美桜には待たせ。

それで最終的に凜花と結婚、だなんて許されたもんじゃない。

「はぁ」

ため息を吐いた、その時。

携帯の着信音が、静かな冷たい部屋に響く。

「はい、零です」

『ハハッ!凄え丁寧。そんなふうに電話出るの?』

電話を掛けてきたのは美桜だった。

「…ご用件は」

『怖い怖い!あ、特に無いんだけど、声が聞きたかった』

「そっか」

凜花からもこんな電話、よく来たな、なんて思った。

『そうだあ!明日暇だったりする?おぼっ、ちゃま?』

「おぼっちゃまヤメなさい。あ、明日?暇だよ?」

『したらさあ、公園でも行かない?奇跡の再会の、公園』

その言葉で思い出す、あの日の事。

あそこでの、あの出来事があったから。

今の俺達が居る。

確かに、再会の公園。

再開でも、あるだろうけど。

「良いよ。再開の、公園」

『えっ、うん。時間はどうする?』

言葉にしたら変わらないか。

「あぁ、そんなに早くなくて良いでしょ」

『私待てなーい』

「う〜ん」

『じゃあ、10時頃』

「はい、かしこまりました」

『じゃあ、また明日』

「はい」

電話を切ると、気分は大分明るくなった。

俺にとって美桜は、そういう人。

力も、喜びも。

色々なものをくれる人。

そんな人と、一緒に居る為、隣に居てもらう為。

両親と、一時は、凜花とも。

戦う事を決めた。

<2016/09/12 17:30 秋の空>消しゴム
Copyright(C) おためし小説投稿 Since2013 All Rights Reserved.