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夢が叶う その時に


待ちに待ったこの日。

月曜日をここまで楽しみに待ったのは初めてだった。

さすが冬休み。

素晴らしい力をお持ちで。



公園に着けば、零はもう来ていた。

本当、真面目というか。

まだ10時になってないのに。

「ごめん、待った?」

全然、と首を振る零だけど、実際は結構待たせたんだろうな。

こいつ、嘘上手いから。

「んだっ!」

思い切り零に抱きついた。

「美桜?」

「やっばここに来たらギュってしないと。あれ凄い嬉し
かったんだから!」

「そっか。凜花の事、止められなくてごめんね」

「えっ」

この人、やっぱり透視出来るレベルだ。

ってか、零は悪くないし。

「そりゃ分かるよ。美桜、凄い冷たかったし」

「あれは、本当ごめん。まっ、もう終わった事だし。変な事は思い出さない!ねっ?」

そうだね、と、少し悲しそうに笑う零。

けど、その笑顔もとても綺麗だった。



そんな零と、近くのベンチに座る事に。

まぁ、高校生が来る公園なんてこんなもんだよね。

「はい」

「はい?」

顔を上げれば、飲み物を持った零が優しい笑みを浮かべていた。

「ありがと…」

零の持つ缶に触れれば、とても温かかった。

似合わないだろうけど、その缶で両手を温めた。

そこは、気にしない。

「寒くない?」

「うん」

全然寒くないよ。

零が居るから。

零を、隣に感じてるから。

今までの方が、よっぽど寒かったよ。

「…もう、零が居るから」

少し恥ずかしかったけど、言ってみた。

そうしたら、肩を抱き寄せられた。

暑くて仕方ない。

風邪、引いたかな。

私みたいなのは引かないって言うけどな。

「もう少しだけ、待っててね」

「うん」

その言葉でか、緊張は解け、すぐ隣にある零の肩に頭を乗せた。

仲の良いカップルに、見えるかな。

「零」

「美桜?」

「大好きだよ」

「おれも負けないよ」

この、相変わらず優しい『俺』。

本人はそんな気、一切無いんだろうけど。

零の発する言葉は、全て優しいから。


<2016/09/12 18:01 秋の空>消しゴム
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