零との暖かな時間を、このベンチでどれくらい過ごしただろう。
本当に幸せな時間。
その時。
穏やかな沈黙を破る、零の携帯の着信音。
「ごめんね」
本当、相変わらず優しい声。
もちろん、良いよ、の意味で首を振った。
「はい、零です」
本当にああやって出てるんだ。
はい、美桜です
絶対出てこないな。
そんなセリフ。
「はい、分かりました」
いつもより、少し低い声でそう言い、零は電話を切った。
「ごめんね。少しだけ、待っててくれますか」
「えっ…?」
何となく立ち上がった。
「すぐに戻って来る。だから、あと少しだけ、待ってて。
これが最後だから」
零はそう言って、私を抱きしめた。
あの言葉を発した零の声は、初めて聞くほど力強く、頼れるものだった。
普段は、優しさでいっぱいなのに。
「良いよ。いつまでも待ってるよ。ここで」
その言葉に、迷いも嘘もなかった。
「ありがとう」
少し身体を離し、私を見る零。
何かを、決心したような目で。
私も零の大きな目を見つめ、頷いた。
零はいつもの笑顔で頷いて歩き出した。
そして私から少し離れた辺りから、走り出した。
零、私は待ってるよ。
君の温度が帰って来る、その時まで。
零の後ろ姿を見つめながら、そう誓った。
本当に幸せな時間。
その時。
穏やかな沈黙を破る、零の携帯の着信音。
「ごめんね」
本当、相変わらず優しい声。
もちろん、良いよ、の意味で首を振った。
「はい、零です」
本当にああやって出てるんだ。
はい、美桜です
絶対出てこないな。
そんなセリフ。
「はい、分かりました」
いつもより、少し低い声でそう言い、零は電話を切った。
「ごめんね。少しだけ、待っててくれますか」
「えっ…?」
何となく立ち上がった。
「すぐに戻って来る。だから、あと少しだけ、待ってて。
これが最後だから」
零はそう言って、私を抱きしめた。
あの言葉を発した零の声は、初めて聞くほど力強く、頼れるものだった。
普段は、優しさでいっぱいなのに。
「良いよ。いつまでも待ってるよ。ここで」
その言葉に、迷いも嘘もなかった。
「ありがとう」
少し身体を離し、私を見る零。
何かを、決心したような目で。
私も零の大きな目を見つめ、頷いた。
零はいつもの笑顔で頷いて歩き出した。
そして私から少し離れた辺りから、走り出した。
零、私は待ってるよ。
君の温度が帰って来る、その時まで。
零の後ろ姿を見つめながら、そう誓った。
