おためし小説投稿

登録一切不要で小説投稿!
文字サイズ変更 
夢が叶う その時に


暫く零くんの家の前で待っていれば、零くんが飛び出してきた。

凜花に気付かず、そのまま行ってしまいそうになる彼を、無意識に呼び止めた。

「あっ、凜花…」

「バーカ!婚約、解消してあげたんだから、ちゃんと美桜ちゃんを幸せにして、あんた自身も幸せになりなさいよ?」

「うんっ」

可愛らしい笑顔で頷き、再び走り出す零くん。

私なんかより、隣に居るに相応しい、人の元へ。


数日前

『パパ』

『ん?』

『南城くんとの婚約、解消してくれない?』

こう言えば、返ってくる言葉は分かっていた。

『何で?』

予想通りの答え、頂きました。

私は、こう言われた時の答えを、もう決めていた。

『南城くんと居るべきなのは、私じゃないの』

不思議そうに私を見つめるパパ。

私は続けた。

『私より、南城くんの隣に居るに相応しい方が居るの』



そう言えば、パパは簡単に納得してくれた。

もちろん、嫌いだからと言ってもこうしてくれたけど。

けど、零くんの事は大好きだし、それは言えなかった。

だから、本当の事を言った。

私より、零くんの隣に居るに相応しい人が居る、と。

ねっ、榊さん。

零くんを、よろしくね。

寒い冬の夜の下、零くんとの関わりを繋いでくれる、ストラップを眺めた。

薄暗くてよくは見えないけど、これがあれば、私達は繋がっていられる。

赤いコスモス。

花言葉は、『(乙女の)愛情』

零くんへの愛情が、本当の事を言わせたんだろうね。

零くん、今まで迷惑掛けてごめんね。

どうか、幸せになって。


彼の未来が、『平和』であり、『希望』に溢れています
ように。

<2016/09/13 17:50 秋の空>消しゴム
Copyright(C) おためし小説投稿 Since2013 All Rights Reserved.