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夢が叶う その時に


「美桜っ!」

ずっと待っていた、その声。

その声が聞こえてきた方を見れば、大好きな人が居た。

「零っ」

無意識の内にベンチから立ち上がる。

その私の元へ駆け寄って来て、そっと寒さから救ってくれる零と、その暖かさ。

「美桜、ごめん」

「れい?」

「こんなに待たせて、ごめん。待っててくれて、ありがとう」

「当たり前でしょ。ちゃんと帰って来てくれたじゃない」

私に言い返すように、当たり前でしょ、と言って更に強く私を抱きしめる零。

私も、強く彼に抱きついていた。

大好きな、暖かい彼に。

「寒かったよね」

「ううん」

「帰ろう」

「まだ、零と居たい…」

大丈夫だよ、と頭を撫でてくれる零の顔を見上げれば、いつもの優しい笑みが浮かんでいた。

「おれの家に、行こう」

「零の家?」

「なかなか、教えてあげられなかったから」

「嫌」

「でも〜、寒いでしょ。とりあえず暖かい所行こう?」

それにも頷かず、零のダウンコートに顔をうずめた。

もう寒くないんだって。

零が隣に居るから。

零の温度が、帰って来たから。

「まだ、零と居たい。この雪が降り止むまで、ここに居よう?」

「そっか。良いよ。この雪が、降り止むまで」

その言葉と共に、零の暖かみに包まれている幸せに浸った。



この日が、この時が。

私の夢が叶った時だった。

夢が叶う、その時に。

私は、君の隣に居る。

そして、君の温もりに、触れている。

零、大好きだよ。

どうか、この雪が止みませんように。


今回も最後までありがとうございました。

今回も何だか微妙な気もしますが……


皆様のお陰で、観覧数が500回を超えました。

沢山の方にご観覧頂き、嬉しい限りです。

これからも、どうかよろしくお願い致します。
<2016/09/13 18:25 秋の空>消しゴム
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