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こひこひて逢へる時だに 【※腐向け※】


つ、つまりあれはペンネームって事で、ここにいるのは本物の河東先生で、いやいやそんなわけない。
そんなうまい話はあるわけない、僕はきっと騙されているんだ。

ちょっと考え込んでしまっていると、男性___仮沢さんが、

「そんなに偽者に見えます? なんか悔しいな...」

と口を尖らせて見せるので、僕は焦って否定する。
焦りすぎて首を振るだけになってしまったが。

「ま、いきなり言われても仕方ないか。えっと、売れてます?俺の...あ、いや、えっと、 河東英。」
「は、はい、とても。...発行部数もうちょっと増やしてほしい、くらい。」

そう言うと、それはお世辞が過ぎません?と笑われた。

でも事実なので、いいえ、本当なんですよ、と反論を始める。
...恥ずかしながら止まらなくなってしまって、僕は、1日に何度も謝らないといけないんだ、ということを仮沢さんに話してしまう。
いや、どう考えても迷惑だろう、と思い返して即座に謝る。

「謝らないでくださいよ。よくわかったんで。」

頭をポンポンと撫でられる。

...ん? いや、待って?! 撫でられてる?!!

再認識した瞬間、ぶわっと顔に熱が広がって、僕は一歩退いた。
仮沢さんは驚いて2秒間ほど硬直していたけれど、自分の手と僕の顔を見比べるや否や、焦ったように訂正し始めた。

「す、すみません。参ったな、ちょっと... 撫でたくなっちゃって...ってキモいか!!
いや、何て言うか、............すみません。」

暫しの沈黙のあと、ちょっと逃げるような素振りで、仮沢さんは バイバイ浦安さん、と手を振って去っていった。
僕ももちろん、会釈を返す。

何で名前知ってるんだろ。

「.........あ、名札か。」

胸元の名札に納得して、僕はまた本棚に向き合った。


......顔あっついなぁ...

<2016/09/16 18:26 弥生目 ヒカリ>消しゴム
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