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想い舞う頃


夏休み、宿題どうしよう…

それだけで頭をいっぱいにして、どれだけの時間を過ごしただろうか。

周りの生徒達は楽しそうに話をしている。

教室にある時計を確認すれば、昼休みの時間だった。

「はぁ…」

ため息を吐いた時、鼻での笑いが聞こえた。

聞き慣れた、鼻での笑いが。

そちらへ振り向けば、瞬が妙な笑みを浮かべていた。

「な、何よ」

「どんだけため息吐くんだよ」

「宿題だよー。瞬くーん。お願い!教えて?」

瞬の目の前で手を合わせる。

もうこの際、教えてくれるだけで良い。

「じゃあ、読書感想文なら手伝ってやる」

「読書感想文。あんなの あらすじ書くだけじゃない!」

そう、断るような言葉を返せば、瞬はまた笑った。

「良く分かってんじゃん」と。

いや、違うんだって。

確かに分かってはいるけど、1人ってだけで、出来る気がしなくなってくる。

逆に言えば、瞬が居るってだけで、出来る気がする。

「葉山くーん…」

「何で名字で呼ぶんだよ」

ウザそうに睨んでくる、葉山くん。

「嫌な訳?葉山、くーん?」

女の子らしい声で呼んで、瞬の顔を覗き込む。

「チッ。せっかく手伝ってやっても良いと思ってたのに」

「えっ、嘘!?ごめんなさい!」

必死に謝れば、瞬は怪しげな笑みを浮かべた。

本当、何を考えてるか分からない、ってのが似合う人。

「じゃあ、明日から宿題が終わるまで。俺の家に来やがれ」

「はあ!?つか、瞬の家なんて知らないし」

「フッ、だろうな?校門の前で待っとけ。気が向いたら
迎えに行ってやる」

浅く椅子に座り、腕を組んで半笑いで言う瞬。

「絶対来る気だよね?ね?瞬くん?」

「うっぜぇ。ちっとは黙れ」

そう言った瞬の顔が、ほんの少し赤い気がした。


<2016/09/18 23:43 秋の空>消しゴム
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