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想い舞う頃


日も本格的に落ちてきた頃。

奏と2人、影も映さなくなった地面の上を歩いている。

気まずい沈黙が流れる中、「あの……」と奏がそれを破る。

ちらりと彼の横顔を見れば、部屋での瞬のように、悲し気な視線を下へ向けていた。

「なぁに?」

顔を覗き込むようにすれば、奏は俯いてしまった。

静かに歩みを止める彼に合わせるように、隣を歩いていた私も止まった。

暫く俯く奏を見ていれば、彼は、何で……、と呟いた。

「おかしいよ…」

奏は続けるようにそう呟くと、怒りと悲しみの混じった
気持ちを抑えるように、ぎゅっと服の裾を握った。

「瞬くんだって…本当にあれが正しいと思ってる訳じゃない。愛ちゃんだって……瞬くんが下した決断…あんなの望んでないでしょ?」

今にも消えてしまいそうな、小さな声で話す奏。

…そうだよ。

そりゃ、私だって……ずっとずっと、瞬と一緒に居たいよ。

だけど……

「瞬が辛い思いして生きる方が…辛いから」

私が言うと、彼の中で怒りが大きくなったのか、奏はゆっくりと目を閉じた。

自分自身を、落ち着けるように。

そして、彼は言った。

「その『決断』が、僕達のためだったとしても…?」と。

<2016/11/12 10:25 秋の空>消しゴム
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