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想い舞う頃


昨日、瞬から何とか聞き出した時間に、校門前に来た。

初めて行くからか、とても楽しみ。

そう言えば、学校って昨日で終わりだったんだね。

そして、待ち合わせ場所が校門前って。

運動部の人とか先生が結構来る、この場所。

夏休みでも部活やるんだなあ、とか思いながら、グラウンドを走る運動部の部員達を眺めていた。

「夏休みも部活かあ、私には考えられないーっ」

バカにした声で、私の心の声が聞こえた。

もちろん、その心の声を言葉にしたのは瞬。

振り向けば、本当の部屋着だと思われる、明らかにサイズの合っていない服を着た瞬の、カッコ可愛い笑顔が飛び込んできた。

「はろー」

「英語は出来んだ」

「ねぇ、ほんっとにバカにしてるよね」

「褒めたつもりなんだが。失礼」

全然反省しちゃいない。

「良いから。暑いから早く行こ?」

瞬は今日も鼻で笑い、自転車を先程出て来た道に向かって漕ぎ出した。

大人しくそれに付いて行く。

「ねえ!」

暫く走った所で、呼んでみた。

「ん?」

それに対する、珍しく優しい声での返答。

あまり いつもと違う答え方されると、戸惑う。

「いや、奏、は?」

「居ない」

何故か異常に驚き、言葉を失っていた時。

「って言ったらどうする?」と瞬は続けた。

「べ、別に!?」

「では、2人の時間をたっぷり満喫するとしようか」

不気味な言葉を残し、瞬は少し前で自転車を止めた。

いつの間にか、瞬の家の前に着いていたらしい。

大きな家だなあ、とか思いながら、目の前にある家を見
上げる。

その間に、瞬は自転車から降りて玄関前へ。

「えっ、てか本当に2人なの?」

「カナは俺と違って忙しいからな。愛の勉強の相手をしている暇などない」

右手で鍵を回す瞬から、そんな言葉が返ってきた。

本当に失礼な人。

いや、事実なんだけどさ。

ってか、カナって。

彼女みたい。

「奏の事、カナって呼んでんの?」

「シューくんって呼ばれた時は、そう返してる。最近は全くだけどな」

シューくん。

何か少し変えたかったんだろうね。

「入って」

「あ、お邪魔します…」

程良い緊張感に包まれながら、瞬の家の中へと入った。

<2016/09/19 00:27 秋の空>消しゴム
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