愛か奏のどちらかだろう、と思いながら玄関のドアの前へ。
「はい」
「ふふっ。わ・た・しっ」
愛の不気味な声が返ってきて、やっぱりな、と思いながら鍵を開ける。
「っ……」
そして何となく、今鍵を開けた右手を見る。
何か、ギリギリというか、大変な気がしたから。
この手で鍵を開けるのが、何となく。
もしこの手まで動かなくなったら、これからどうなる……?
「ごめんね、暇だから来ちゃった」
寝たきり、という考えとそれに対する恐怖を、愛の明るい声が払ってくれた。
「ん、どうした?」
優しい声に顔を上げれば、愛の心配そうな顔が視界に現れた。
「あ、いや。……何でもないよ」
愛に心配させないためにも、自分でそう信じるためにも、
笑ってそう返した。
まさかな。
気のせいだ。
今までずっと出来てたんだから。
……でも、それが出来なくなっていくのが今の俺、なんだよな。
「瞬っ。大丈夫?」
無意識に下を向いていた顔を上げれば、再び心配そうな愛の顔が視界に入る。
その顔に、ゆっくりと右手を伸ばす。
彼女の心配そうな、大きな目を見ながら。
「えっ……や、何……?」
愛の小さな顔に触れたら、一気に安心出来た。
自分で表情が柔らかくなったのも分かるくらいに。
「ううん。何でもない」
ただ、確認したかったんだ。
この右手が、動くことを。
ふぅ、と安堵の息を吐き、すぐに愛の顔から手を離した。
「中、行こうか」
「あーそうだよ。ここめっちゃ寒い」
そう言い、今朝の母のように両腕をさする愛。
大丈夫だと自分に言い聞かせ、愛とリビングへ向かう。
「はい」
「ふふっ。わ・た・しっ」
愛の不気味な声が返ってきて、やっぱりな、と思いながら鍵を開ける。
「っ……」
そして何となく、今鍵を開けた右手を見る。
何か、ギリギリというか、大変な気がしたから。
この手で鍵を開けるのが、何となく。
もしこの手まで動かなくなったら、これからどうなる……?
「ごめんね、暇だから来ちゃった」
寝たきり、という考えとそれに対する恐怖を、愛の明るい声が払ってくれた。
「ん、どうした?」
優しい声に顔を上げれば、愛の心配そうな顔が視界に現れた。
「あ、いや。……何でもないよ」
愛に心配させないためにも、自分でそう信じるためにも、
笑ってそう返した。
まさかな。
気のせいだ。
今までずっと出来てたんだから。
……でも、それが出来なくなっていくのが今の俺、なんだよな。
「瞬っ。大丈夫?」
無意識に下を向いていた顔を上げれば、再び心配そうな愛の顔が視界に入る。
その顔に、ゆっくりと右手を伸ばす。
彼女の心配そうな、大きな目を見ながら。
「えっ……や、何……?」
愛の小さな顔に触れたら、一気に安心出来た。
自分で表情が柔らかくなったのも分かるくらいに。
「ううん。何でもない」
ただ、確認したかったんだ。
この右手が、動くことを。
ふぅ、と安堵の息を吐き、すぐに愛の顔から手を離した。
「中、行こうか」
「あーそうだよ。ここめっちゃ寒い」
そう言い、今朝の母のように両腕をさする愛。
大丈夫だと自分に言い聞かせ、愛とリビングへ向かう。
