「この時間は何もやってないねぇ〜」
愛がテレビのチャンネルを変えながら言う。
と、我が家ではよく流れている局でチャンネルの切り替えが終わった。
夕方のニュース番組。
それももう終盤で、天気予報がやっていた。
「もう冬だね。全っ然気温上がんない」
気づけばカレンダーは11月下旬。
この秋が終わって、冬が来て。
その冬も終わると、春が来る。
愛や奏に出逢った季節であり、桜の咲く、春が。
「早く春になんないかなぁ」
「そうだな……」
「春は良いよ? 暖かいし、桜も咲く! それに、高1の頃は瞬と奏にも逢った」
そんなふうに想い出が作られる時は、いつも桜が咲いていた。
だからだろうか。
桜が好きで、それを見ると落ち着くのは。
「桜。また見に行こうね」
「……うん」
「もぉ。どーしたのさ」
「ううん」
ただ、迎えられたら良いな、って。
愛と一緒に、来年の春を。
「……ん?」
心で呟いたはずだったが、心に対しその想いは大きすぎたらしい。
愛が、涙を浮かべながら微笑んでる。
そしてソファから立ち上がったかと思うと、俺に抱きついてきた。
「迎えられるよ。迎えようよ、春」
その優しい声が、俺の胸に顔をうずめた愛から発される。
2人で、桜の咲く季節を
そしてその声が作り、続けた言葉に 俺まで泣きそうになった。
「愛って……優しいんだな」
こんな俺に、未来があると信じさせてくれる。
愛との未来があると、信じさせてくれる。
「そっちこそ」
ははっ……、と弱々しく笑えば、堪えてたはずの涙が頬を伝った。
愛って、不思議だよな。
一緒に居ると、何ともない事が面白くなる。
何ともない景色も、すごく綺麗に見えて。
いつもと同じような事でも、初めて起こった事のように
笑えて、悲しめる。
そして愛が居るから、今の自分がこんなにも嫌で、周りの
優しさに気づけない。
愛が、俺にとって優しすぎるから。
「愛」
「ん?」
「……ただ呼んでみた」
「ひどーい」
気づけば流した涙もそのままに、愛と2人で笑っていた。
ありがとう
大好きだよ
名前を呼んで、返事が返ってきて。
当たり前のように、もっと簡単にその言葉が言えたなら、
良いのにな。
愛がテレビのチャンネルを変えながら言う。
と、我が家ではよく流れている局でチャンネルの切り替えが終わった。
夕方のニュース番組。
それももう終盤で、天気予報がやっていた。
「もう冬だね。全っ然気温上がんない」
気づけばカレンダーは11月下旬。
この秋が終わって、冬が来て。
その冬も終わると、春が来る。
愛や奏に出逢った季節であり、桜の咲く、春が。
「早く春になんないかなぁ」
「そうだな……」
「春は良いよ? 暖かいし、桜も咲く! それに、高1の頃は瞬と奏にも逢った」
そんなふうに想い出が作られる時は、いつも桜が咲いていた。
だからだろうか。
桜が好きで、それを見ると落ち着くのは。
「桜。また見に行こうね」
「……うん」
「もぉ。どーしたのさ」
「ううん」
ただ、迎えられたら良いな、って。
愛と一緒に、来年の春を。
「……ん?」
心で呟いたはずだったが、心に対しその想いは大きすぎたらしい。
愛が、涙を浮かべながら微笑んでる。
そしてソファから立ち上がったかと思うと、俺に抱きついてきた。
「迎えられるよ。迎えようよ、春」
その優しい声が、俺の胸に顔をうずめた愛から発される。
2人で、桜の咲く季節を
そしてその声が作り、続けた言葉に 俺まで泣きそうになった。
「愛って……優しいんだな」
こんな俺に、未来があると信じさせてくれる。
愛との未来があると、信じさせてくれる。
「そっちこそ」
ははっ……、と弱々しく笑えば、堪えてたはずの涙が頬を伝った。
愛って、不思議だよな。
一緒に居ると、何ともない事が面白くなる。
何ともない景色も、すごく綺麗に見えて。
いつもと同じような事でも、初めて起こった事のように
笑えて、悲しめる。
そして愛が居るから、今の自分がこんなにも嫌で、周りの
優しさに気づけない。
愛が、俺にとって優しすぎるから。
「愛」
「ん?」
「……ただ呼んでみた」
「ひどーい」
気づけば流した涙もそのままに、愛と2人で笑っていた。
ありがとう
大好きだよ
名前を呼んで、返事が返ってきて。
当たり前のように、もっと簡単にその言葉が言えたなら、
良いのにな。
