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想い舞う頃


宿題をやったり、くだらない事を話したりで、6時間程の時間が経った。

その頃には、奏は帰り、私は、瞬と近くの公園に居た。

大好きな人と居る、近くの公園。

何ともない場所なのに、凄く幸せな時間が流れている。

ただ側に、隣に居てくれるだけで。

流れる時間は幸せなものへと変わる。

瞬は、私にとってそんな人だった。

そんな存在だった。

「瞬」

夏の夕陽に照らされた公園のベンチで、隣に座る瞬の肩口に頭を乗せてみた。

いつか瞬の気持ちも知りたい、そんな事を思いながら。

その時、やたら飾られた大きな手に、肩を抱き寄せられた。
 
つい瞬の顔を見れば、見た事もないくらい自然に笑っていた。

それが堪らなく可愛くて、私もつられるように笑う。

驚きもあったけど、喜びの方が全然大きかった。

「愛」

少し緊張を含んだような瞬の声が、小さく呼んだ。

「なに?」

「…あっ、いや。何でも無い」

「そっか。じゃあ、私が」

「何?」

「もう少し、こうしてて良い?」

良いよ、と、少し恥ずかしそうに言う瞬がやっぱり可愛くて、瞬の意外としっかりした腕に抱きついた。

「んだよ。いきなり」

「いきなりじゃないよ〜っだ」

言ったはずだよ。

私は、瞬が好きだって。

嘘だと否定されても、嘘じゃないって。

「いつか、聞かせてね」

呟くように、囁くように言った。

少し恥ずかしいけど、瞬にどう思われてるか知りたいと
いう意味で、その言葉を。

その意味と言葉は、瞬に届いたかな。


<2016/09/21 19:40 秋の空>消しゴム
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