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想い舞う頃


夏休みに入ってから、どれくらい経っただろう。

夏の晴れた空の下、私は 瞬と奏と、海に来ていた。

「やーっぱ夏は海だよなーっ!」

無意識の内に靴を脱ぎ捨て、海に飛び込んでいた。

本当、短パン履いて来て良かった。

「濡れんなよ?」

「だいじょーぶっ!瞬も奏もっ!ほらっ」

そう叫びながら、誰も居ない海の中で2人に手招きする。

そうすれば、奏はすぐに入って来た。

「しゅーん!釣れないなぁ」

「…覚悟しろ?」

怪し気な笑みを浮かべる瞬に、えっ、なんて言った頃にはもう遅く。

せっかく濡れなかった服はびしょ濡れ。

「投げ方!雑!」

「だーから言ったろ。覚悟しろって」

どこか満足気に笑う瞬が、眩しかった。

「奏、いく?」

「おう」

「って、バーカ瞬だよッ!」

思い切り飛びつき、瞬のバランスを崩した。

ドボッ、というような低い音がして、ずぶ濡れになる瞬。

私も満足。

大満足。

「ヘッへーんだ」

「くっそ。こうなったら後は?」

「奏ーっ!」

私は瞬を残し、奏の元へ走って飛びついた。

瞬より全然勢いは要らず、簡単に倒せた。

身長は私と10センチも変わらないんじゃないかな。

170ちょっと、くらいに見える。

「加減!加減して!?」

新たな奏が顔を出す。

それに対して、少し嬉しくなっていた時。

息を吐く音が聞こえて、そちらを見てみれば、瞬が寝てた。

「嘘でしょ?」

「やーべ。超寝れんだけど」

そう言って両腕を伸ばす、瞬の隣に寝転んでみた。

猛烈な夏の暑さによって、程良く温められた海水。

身体のわきを、涼し気な音を立てて優しく駆け抜ける波。

全身濡れたせいか、風が吹けば本当の涼しさも感じる。

これは確かに寝れるね。

「また来たいなぁ」

「いつでも来れんだろ」

「うん」

またみんなで、こうして遊びたいな。

2人と過ごす時間は、最高に楽しかった。

ずっとこうしていたい、そんな事を思う程に。

楽しくて、幸せで。

ずっとこんな時が続く事を、願っていた。

<2016/09/22 00:54 秋の空>消しゴム
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