おためし小説投稿

登録一切不要で小説投稿!
文字サイズ変更 
想い舞う頃


昨日の、みんなで花火をやった時間が恋しい。

何でこんな分厚い本をチョイスした訳?

私がこんな たくさんの文字を読めるとでも思ったか。

まぁ、騒いでももう遅い。

もう下巻まで読み進めている。

もちろん、あらすじだけ。

本文を全部読むだなんて。

ふざけているにも程がある。

「終わったー!」

「あらすじ読むのにどんだけ時間掛かってんだよ」

「うるさい!」

これだけ分厚い本なんだから、あらすじもそこそこ長くなるでしょ。

けど、随分理解するのが難しい話だった。

天才は日々、こういった本を読んでいるのか。

本当、私には考えられない生活だ。

「あれ、瞬?何見てるの?」

「えー、先ほど読んで頂いた本なのですが」

何?

何でそこで止めるの?

「な、に?」

「ヤバいっす」

そう言って瞬が見せてくれたのは、さっきの本と同じ題名の本。

厚みも同じくらい。

「『中』っす。さっきの本、上、中、下ってあるっすね」

「はあ!?」

あぁ、でもこれなら、全然話の内容が理解できなかったのも納得がいくような気もする。

あれだけ分厚い本が1冊抜けりゃあ、分かる訳もない。

「瞬くーん、それはダメでしょー」

「奏」

「はい?」

「頼むから、あのバッグから瞬のために記憶力を出してくれ」

あの、何でも出てくる魔法のバッグから。

「そんな物が入ってたら僕が使ってるよ」

いや、あなた程集中力が持つ人は居ない。

「ってか瞬!どんな嫌がらせよ!」

「嫌がらせってか、ただ忘れてただけだし。うん」

俺は悪くない、とでも言いたげな瞬。

その忘れてたのがダメなんだよ!って叫びたい。

「まぁ良いけどさ。その物語のざっくりな話を教えてくれる?」

「じゃあ、1人の科学者が居てー、って。俺に説明させんな自分で読め」

「何カリカリしてんのよ」

誰のせいでこんな目に遭ってるんだか。

一人の科学者の話でこんな分厚い本3冊も掛かる?

「ってか、不良高校生がそんなの読んでんの?」

「不良じゃねぇし。超真面目君だっつーの」

真面目にはこれっぽっちも見えやしない。

奏が実は不良、ってのより信じられない。

「奏が不良っていう方が信じられねぇだろ」

「いーや。瞬は、真面目って言葉が世界一似合わないの」

「ゴタゴタ騒いでねえで感想文終わらせやがれ。バカ」

「バカはこっちのセリフでしょーが!」

その後もブツブツと、瞬と言い合いを続けながら読書感想文を書き進めた。


<2016/09/22 18:29 秋の空>消しゴム
Copyright(C) おためし小説投稿 Since2013 All Rights Reserved.