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想い舞う頃


冬休みが終わり、1ヶ月と1週間程 前に始まった3学期。

今日は、女子にとっては大切な日。

で、そんな今日の主役的存在は、隣の瞬くん。

今日は昼休みも女の子に囲まれちゃって。

よく男子に嫉妬されないよね。

男子はあまりそういうのないのかな。

羨ましいもんだね。

我ら女子はもう、男の子に囲まれたりなんかしたら、嫉妬とイジメの嵐よ。

怖い怖い。

だから今も、こうしてチョコを渡せずに居る。

すぐ隣なのに。

話し掛ければ、すぐにタイミングなんてものはやってくる
のに。

あっ、でも……

「葉山くんっ、あ、あの、これ……」

大人しそうな女の子が可愛くラッピングされた箱を差し
出せば。

「別に要らねぇし」

そう冷たく言い放ち、席を立ったと思えばそのまま教室を
出て行ってしまった、アイドル・葉山くん。

あんなに大人しそうな子相手でもあの態度だからなぁ。

いくら私でも、今の瞬には渡せないな。

「葉山くん……」

「大丈夫よっ。あれがカッコイイんじゃーん」

目の前で繰り広げられるその会話を聞いて、納得している
自分がいる。

瞬のどこが良いのか

それは、私が一番分かっているはずなのに。

こんなに好きなのに、瞬のどこが、と聞かれると、答えられない。

「宮野はー?」

聞いた事のあるような声。

そちらへ振り向けば、あの名も知らぬ男が。

「何だよ」

「本当に女らしくねぇなお前」

「うるせぇ。用件は」

「あぁ。お前は葉山に渡さねぇのかよ」

何コイツ。

知ってる訳?

私が瞬にハートのチョコを作ってきた、って。

「バカじゃないの?誰があんなツンツン男に」

やだやだ。

瞬の居ない所で言うと、凄い何か、心が痛いっていうか。

「ツンツン男ねー。好きなくせに」

「はあ?アンタ、本当にバカなのね」

「さあ?成績は極平均だけどな」

成績の問題じゃないでしょうよ。

人間としてバカなんだね、この男は。

「で?渡さねぇのかよ」

「だから、作ってきてもないから!」

「ふーん?」

本当コイツ、凄いムカつく。

俺知ってますから的なオーラが凄いムカつく。

そんな頃、やっと鳴ってくれる、今だけは有り難い昼休み
終了を告げるチャイム。

「じゃっ、俺はここでー」

ではでは、と少し急いでいるようにその場を去る、奴。

それを確認すると、自然とため息が出た。

どうしよう。

作ってきたは良いけど、どう渡そう。


<2016/10/04 19:42 秋の空>消しゴム
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