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想い舞う頃


始業式も、その日の授業も終わり、待ちに待った帰りの
時間がやって来た。

春の暖かな夕焼けの下にある、学校の自転車置き場。

この日もそこで、鞄を雑に自転車のカゴへと放り投げた。

そして自転車にまたがり、いざ帰宅!って時。

「ちょっ、愛」

まさかの瞬に呼び止められた。

誘ってくれるのかな?なんて期待した。

「何?」

「明後日、暇?」

明後日。

絶妙に待たせるね。

「…まあ。暇だけど?」

「良かった。じゃあ、明後日。迎え行く」

「はあ… ん?はあ!?」

いやいや、今絶対 何かおかしかったよね?

迎え?

「ハハハッ、お楽しみに」

いや、既にすっごい楽しみなんだけど、迎え?

「あの、何で来んの?」

「それがお楽しみなんだろーが」

なんだろ、って言われても、知らないし。

「じゃあ まあ、また」

「えー?」

「仲良いね〜?」

奏が一発、冷やかしの言葉を残して校門を出て行った。

「あっ、ぶつかる……」

届きもしないような声で呟いた。

「うあっ、あっぶなー」

「ハハハッ、ばーか」

やたら騒がしく帰って行った2人を、自然に浮かんだ笑顔で暫く眺めてしまった。

「おーい、もう閉めんぞー?」

先生が校門の所で急かす。

と言っても、たまたま私を見かけたから言った、って感じ
なんだろうけど。

「はーい、すいませーん!」

とりあえず急いでいるフリをして、学校の敷地内から立ち
漕ぎをして、先生が側に立つ校門を走り抜けた。

「そんなに急がんでもいーから座れー?」

誰が急かしたんだよ!って言ってやりたくなったけど、
そこはグッと堪えて大人しく座った。

もちろん、先生の視界から消えてからは立ち漕ぎに直した。


<2016/10/06 18:13 秋の空>消しゴム
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