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想い舞う頃
- 高校2年 【秋】 -

秋の深まってきた、ある日。

この日、私は瞬と、自分の部屋に居た。

コーヒーの香りが漂う、私の部屋に。

私はカフェオレ並に色を薄めたコーヒーを一口飲んだ。

優しい味が口いっぱいに広がる。

「ふぅ。あっ、外寒くなかった?」

「大丈夫。上着着てたしな」

「今年は寒くなるの早いよねぇ。少し前まで暑かったのに」

だな、と私の言葉に共感して、ブラックのコーヒーを飲む瞬。

ブラック飲めるなんて大人だなぁ、なんて、どうでも良い事を思った。

「あっ、そういやさ、何歳になったの?」

「んー?17歳」

「あぁ、そうだよな。おめでとう」

「ふふっ、ありがとっ」

熱いくらいのカップで両手を温めながら言った。

…あれれ?

「な、な何で知ってるの?私の誕生日!」

無意識に身を乗り出し、瞬の顔を覗き込んでいた。

「愛が指輪買ってくれた日じゃん。そこまで記憶力衰えて
ねぇわ」

「いやいや。確かに今日は、この指輪を買った日で、私の
誕生日でもあるよ?けどさ、私言ってないよね?今日が
誕生日だなんて」

「ばーか。愛の考えてる事くらい分かるよ」

そう言って優しく笑う瞬。

けどその優しい微笑みが、私の羞恥心をさらに大きくした。

この指輪を買ったのが、自分へのプレゼントだという事も、瞬は知ってそうで。

「何も用意してないけど、本当おめでとう」

その笑みを浮かべたまま、優しく言う瞬。

恥ずかしくて、遂に膝を抱えた。

顔が熱くなり、その顔が赤いことはすぐに分かった。

「…ありがとう」

「俺ら、ずっと一緒に居ような」

膝にうずめようとした顔を上げ、自然に浮かんだ笑顔で瞬を見た。

「もちろんだよ?瞬が、私を嫌いにならない限りねっ」

「それはこっちのセリフ」

瞬の冗談のような言葉で、私の笑顔はさらに明るくなった。

私はいつだって、瞬が居れば笑っていた。

瞬と居れば、笑っていた。

私達の高校生活は、毎日が輝いていた。


<2016/10/11 18:30 秋の空>消しゴム
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