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想い舞う頃
- 高校2年 【冬】 -

高2の冬、修学旅行でスキーへ行ったのを覚えている。

「よしっ、この辺で良いだろ」

ある程度登ったところで、瞬が達成感を纏った声を発した。

「来すぎじゃない…?えらい急だよ?」

それに比べて、心配そうな奏。

そりゃそうか。

「降りちまったらもうすぐだから」

「う〜ん…」

奏、結構ビビリなんだね。

この人を表す言葉は『カワイイ』以外に思いつかない。

「でね?別に良いんだよ。ここから降りても?ただ。何で
二人はそっちなのさ」

何を語り出すかと思えば。

最後に質問持ってきた。

「いやー、俺らスノボやった事ねぇし?」
「知るかっ!僕もないしっ!」

奏、即答。

あれ?

「えっ……なんですって!?」

知らない、ですって?

いや、確かに嘘なんだけどね。

瞬のヤツ、何でも出来ちゃうから。

「私達、全然よ?もーね、私達の中で出来るのは奏だけ…」
「あぁっ…」

嘘を並べた言葉を、瞬の小さな声に遮られたと思えば、
ズルッ、と、少し嫌な音がした。

前を見れば、予想通りの光景が。

「あ〜あ。奏行っちゃったよ」

「ヤッべ!アイツ超上手えじゃん!ハッハッ!」

手を叩いて豪快に笑う瞬。

その笑顔は、真っ白な雪よりも、ずっとずっと眩しかった。

「あー、コケた!」

やっぱあーじゃねぇとなぁ、と少し嬉しそうな瞬。

「ではでは。俺達の出番ですな?」

「ですな」

お互いの顔を見て頷き、奏に負けないくらいの勢いで滑っていった。


そして。

「うあっ!冷たっ!」

奏の両サイドに止まり、思い切り雪をかけてやった。

奏の右側で私が、左側で瞬が。

「ハッハッハッ!」

「だーいせーいこーう!」

瞬の豪快な笑い声と、私のはしゃぐ声。

女子の奏を心配する声など、色々な声が混ざっていた。

そんな中、私は瞬と、座り込む奏の上で両手でハイタッチをした。

「全然成功じゃないよ……
大失敗だっつーの…」

恥ずかしそうに呟きながら、肩や帽子にかかった雪を払う奏。

私と瞬の間で。


<2016/10/12 21:18 秋の空>消しゴム
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