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想い舞う頃
- 高校3年 【夏】 -

高3の夏、夕方。

私は走っていた。

最高に動きにくい、浴衣姿で。

しかも、足元は下駄。

一歩は小さくなるわ、足元は歩きにくいわで最悪。

確かに浴衣は可愛いよ?

黄色地に、カラフルな水ヨーヨーが描かれた浴衣。

帯はオレンジ色。

で、そんな姿で何故急いでいるかというと。

17年間生きてきて、一番凝った髪型をしてたから。

いつものポニーテールの位置に、三つ編みをしてからの
お団子。

さらに、黄緑色の髪飾りまで付けた。

それに時間が掛かり、瞬との待ち合わせに遅れそうに
なっている。

「はあっ、はあっ……瞬!」

「やーっと来やがった」

「髪型のセットに時間掛かって……」

肩で息をしながら、家でバタついたことを説明した。

「え、ソレにそんな時間掛けたの?」

「そ、ソレって!めちゃめちゃ凝ってるじゃん!」

頭の上のお団子に触り、三つ編みがされていることを確認
する。

「ったく。どーでも良いけど心配させんな」

「はあっ、ごめんね?」

……あれ?

心配?

心配、してくれたの?

「瞬ったら〜っ。やっさしーんだから!」

そう言って瞬の、白地に黄緑で笹と笹の葉が描かれた浴衣に抱きつく。

その浴衣の帯は緑。

その姿がなんともカッコよくて。

「騒ぐな。ご近所迷惑」

「瞬だーいすき」

「はいはい」

2人で騒ぎながら、お祭りの方へと向かった。

「ふハッ、ばーか」

「バカがバカって言うなバカ」

「そんなにバカバカ言わないでよ!」


<2016/10/18 16:14 秋の空>消しゴム
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