おためし小説投稿

登録一切不要で小説投稿!
文字サイズ変更 
想い舞う頃


昨日は……

何時に帰ったんだろう。

帰ってからは…何をしたんだろう。

唯一覚えているのは、右手中指を飾っていた指輪を外したということだけ。

そしてあの、うさぎのぬいぐるみが持つ箱に入れた、と
いうことも。

「みやっち おはよっ」

トンッ、と肩を叩かれ、振り返ればいつもの友達が。

「おはよ…」

「どーした?元気なくなーい?あっ、指輪なくしたから?」

「はっ、はあ?別になくしてないし…」

咄嗟に左手で右手を隠せば、笑われてしまった。

嘘下手だね、と。

それに、うるさいと返して仕事に集中する。

仕事に集中するのがこんなにも難しいんだ、と思う。

今までも集中出来てなかったのに、それ以上な気がする。

指輪を外しても、瞬を忘れられないから。

瞬の事だけで、頭がいっぱいになるから。

何で……

瞬……君は何であんな事を言ったの?

瞬……私は何で、君にあんな事を言わせちゃったの?

そんな問いばかりを、頭の中で繰り返す。

もちろん、瞬からも自分からも答えなんて返って来ない。

「指輪かぁ。ポケットに入れたまま洗濯しちゃったとか?」

いつの間にか色々考えてくれてた友達。

「普通、指輪をポケットに入れますかね?」

ああそっか、と納得してまた考え出す友達。

「私の事は良いから。仕事しなよ」

「なーんか怖いよ〜?」

「別に…」

分かってる。

八つ当たりなんかしたって何にもならない、何も変わらない。

分かってるのに、勝手にそうなってる。

そんな自分が嫌で、なるべく人と話さないようにする。

そうしてまた、瞬の事だけで頭がいっぱいになる。

瞬は今、何を思ってるのかな……

<2016/10/31 19:36 秋の空>消しゴム
Copyright(C) おためし小説投稿 Since2013 All Rights Reserved.