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想い舞う頃


「奏みたいになれたら……良いのにな」

素直に、なれたなら。

いつか、愛と短冊に書いた願い。

バカバカしいとは思ったけど、真面目に書いた願い。

素直になれますように

俺の願いは、それだった。

あの時も、今も。

「…なれるよ」

奏の、優しくてどこか悲しそうな声がそう呟いた。

「瞬くんなら。なれるよ、素直に」

「お前本当変なヤツだよな」

「今 僕、子供みたいに何でも言っちゃうけど、それは…」

瞬くんのお陰なんだよ、なんて言う奏。

バカじゃねぇの?今までなら、そうとでも言ってるだろう。

けど、少し待ってみた。

「僕もあるよ。思った事なんて言わない方が良い、って
思ったこと。けど、それじゃダメだって、良い事なんて
ないって、そう教えてくれたの、瞬くんじゃん」

「俺がいつそんな事言った」
「中学の頃」

その答えまでの間があまりにも短く、奏の顔を見上げる。

「中学の頃。瞬くんと、仲良くなってすぐの頃。その頃、
瞬くんにも何か言うの面倒くさかった。けどその頃、
言わなきゃ分かんねぇから、って。瞬くんに言われた。
それで、まぁ度は越してると思うけど?こうして全部言う
ようになった」

思った事言えないような空気が嫌いになった、と笑う奏。

「よくもまあ、んな事覚えてんな」

「いやいや、それはどーでも良いんだよ。だから、瞬くんも素直になってよ。もしこれ以上 愛ちゃんを悲しませたら、僕が愛ちゃんの隣に居る。ずっと」

「……はっ?」

本音を漏らせば、奏は嬉しそうに笑った。

良かったよ、って。

「瞬くんがまだ、愛ちゃんのこと好きで良かった」

「いや、違っ…」

「フッフッフッ……」

じゃあ僕、家なくなっちゃうんで、と玄関の方へ向かう、
自由人すぎるほどの奏。

「ちょい待てって」

少し慌てて奏の後をついていく。

「何?僕ん家なくなっちゃうって。死活問題だから、そんな事になったら」

「いや、愛…」

「それは瞬くん次第だよ?瞬くんが動かなければ」

どうなるか分かるよね?とイタズラっぽく笑う奏。

「愛は…」

愛は……アイツは俺で良いのかよ。  

奏の方が愛を幸せに出来るんじゃないのか?

ずっと隣に居られるんじゃないのか?

「本っ当 面倒くさいね。待ってんだよ。愛ちゃん、瞬くん
からの連絡。分かったら早く連絡しやがれ。ばーか」

「奏……」

大丈夫だから、と可愛らしく笑い、帰って行った奏。

「バカはどっちだよ」

奏が出て行き、1人になった玄関で呟く。

そんな事言うために来たのかよ。


愛、愛はまた……俺の隣に居てくれますか…?


奏のセリフが異常に長い…!
(読み難くてすみません)
<2016/11/02 19:51 秋の空>消しゴム
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