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合わせ鏡の吐いた嘘


私は彼女の持ってきた服を着て、ベッドに横たわっていた。
可愛いデザインで、しかも動きやすい部屋着。

………………いかにも女子という感じだ。

「うんうん。あなた、伊達に“本物の私”じゃないよね。やっぱり似合う!そういう服!。」
「………そうかなぁ…………。」
「ちょっと、自信もってよ。なんたってあたしが選んだんだから!。」

彼女はそう言って得意げに胸を張った。

「…それはいいけど………。あんた、今朝私のこと騙したでしょ?。」
「あ、バレた?。」

完全に彼女のペースに乗せられていたが、ようやくいうことが出来た。
おかげで余裕を持って学校に行くことが出来たが、そういう問題じゃあない。
彼女はわざとらしく両手を合わせ、「ごめんごめん。」と笑っている。

完全に悪気がない。

「まあまあ。結果的に得したのは葉月じゃん。間に合ったでしょ?学校。いつも遅刻ギリギリだったものね。」
「……………。」
「図星〜!あはは、これから毎日起こしてあげるから、安心して寝てちょうだいな。」
「いらないお節介だよ。」
「あら、そんなこと言っていいの?入れ替わろうと思えばいつだって入れ替われるのよ?。」

私は口ごもる。
確かに、“葉月”が実体化してる今では分が悪い。
押し黙って寝転び直した私にニヤニヤとした笑みを送っていた“葉月”は、私と背中を合わせるようにして寝転んだ。
体温が伝わってくる。
その暖かさに少しだけウトウトしそうになりながら、私は首を少しだけ捻って天井をみた。

「ねえ、あんた、なんで鏡の中の偽物の癖に体温とかあるの?。」
「ん〜?あるから、あるんだよ。」
「答えになってないし……………。」

私は苦笑しながら、彼女の体温を感じていた。

そして、その体温の暖かさに、いつの間にか眠りにおちてしまった。

<2016/10/22 19:07 なうか>消しゴム
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