おためし小説投稿

登録一切不要で小説投稿!
文字サイズ変更 
合わせ鏡の吐いた嘘


学校は嫌いだ。

教室は居心地が悪いし、特に楽しめる事もない。
こんな駄目な性格だからか友達も少ない。
勉強するために行くんだから、楽しさなんて求めてもしょうがないんだろうけど。

「秋乃 葉月ー。」

自分の名前に反応して、無気力に立ち上がる。
今日はテストの返却日。
私の短所の1つが、明確に現れる日。

周りが賑やかにテスト返却を楽しむ中、私は一人席に着いた。
テスト用紙を一瞥して、直ぐに小さく折りたたんでファイルに閉じる。
ほら、こんなものだ。
何も努力せずに挑んだテストなんだし、こんな結果が出るのは当たり前だけど。

「うわぁ、綾衣めっちゃ点数いいんじゃん。いいなぁー。」

ある一角からそんな話し声が聞こえてくる。
私はそっちの方を一瞬だけ見て、うつむいた。
私が、数日前までよく話してたグループだ。
けど、その中心核の綾衣と喧嘩してから、一回も話していない。

あの子が鏡に現れた日に、喧嘩したっきり。

『それで、今日も謝らずに帰ってきたんだ?。』
「………………。」
『全面的にこっちが悪いことなんて、あなたもわかってるでしょ?臆病だなぁ〜。』
「………わかってるけど。」
『葉月はさ、逃げてばっかりよね。』

鏡の中の私が言う。
私が鏡の前で体育座りをして顔を埋めていれば、その前で同じように座って。

そして、言うのだ。

『だから言ってるじゃない。私と代われば楽になれるよって。』




<2016/09/21 21:52 なうか>消しゴム
Copyright(C) おためし小説投稿 Since2013 All Rights Reserved.