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合わせ鏡の吐いた嘘


ベッドが二人分の体重を乗せてかすかに軋む。
私は目の前のありえない光景に目を見張り、思わず後退りした。

鏡の中の、完璧な“葉月”。

その彼女が、当たり前のような顔で目の前に座っている。
彼女は間違いなく実体化していた。
鏡越しに会話していた時とは明らかに違う。

「どうしたの。遅れるよ?学校。」
「あ、は、葉月、なんで…………………。」
「何でって、貴方が願ったんじゃない。あたしを現実に引っ張り出してくれたのは、他でもない貴方だよ?葉月。」
「ええ…………。願ったっけ………?。」

記憶を探るも、そんな描写は浮かんでこない。
無意識のうちに、なんてことはもっとありえないし…………。

「あー!もう!グズグズすんな駄目人間!学校!遅刻!私が行くわよ!?貴方がいかないなら!!。」
「っ!!い、行くよ!私が行く!。」

彼女の言葉に私は大慌てでベッドを降り、制服に腕を通した。
私の急ぐ姿を見て満足したのか、“葉月”はベッドの上に体育座りしたままニヤニヤと笑っている。

「急げ急げー♪。」
「っああ、はいはい!!行ってきます!!。」
「朝ご飯食べていきなよー。」

“葉月”に急かされ、私は自室を飛び出してリビングに駆け下りた。
そして、勢いのままリビングの扉を開ける。
すると、お母さんが不思議そうに私を見ていた。

「ど、どうしたの葉月。そんなに慌てて。」
「どうしたのって、時計時計!遅刻する!。」
「何言ってんの?珍しく早起きしてきたと思ったら……。まだ普通に出ても早い時間よ。」
「は!?。」

お母さんの言葉に、私は弾かれたように時計を見る。
すると、時計はまだ7時15分をさしていた。
通常登校時間でも7時55分だ。まだ、40分も余裕がある。

(………………あ、あいつ……!!。)

私は二階を思いっきり睨んだ。
どうやら、“葉月”に見事に騙されたらしい。

「ま、早起きするのはいいことだけど。はい。朝ご飯。」
「……………。」

テーブルの上に目玉焼きの乗ったトーストとコーヒーが置かれる。
私はため息をつき、椅子に座った。

…………文句は帰ってきてからにしよう。

久しぶりの更新ですね(笑)
これからスピード早くしていきたいと思います。
<2016/10/14 23:07 なうか>消しゴム
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