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ブラッディ・クルス
- 暗殺集団 -

「なんだ……?」
「死んで……ますね」

恐る恐るレインが明かりをつける。すると、奥には自分たちと全く同じ制服を着た血だらけの人々が倒れていた。

「みんな……死んでる……?」

返事がない。今の状況を推察すると、本当に黒凱騎士団は全滅してしまったのだろうか。
確認のためにレインが死体を数える。

「いち……にい……全員、死んでいます」
「嘘だろ……」
「生き残りは……私たちだけみたいですね」
「くそッ!!!ケイトまで……ああクソッ!!!!!」
「落ち着いてくださいシリウス卿、まだ襲撃犯が近くに居るかもしれません!」
「ああ……分かった」

こう言ったレインだが彼女自身、周りの異常な静けさに驚きを隠せなかった。だが自分が抜けていたこの時間にこれだけのエリート集団が惨殺されるということは、かなりのやり手だ。
自分でどうにかできる相手なのだろうか、そんな不安が脳内駆け巡る。

「でも今は……」

シリウス卿が居る。貧民街で大規模な戦争である通称、"白夜戦争"を終結させた、おそらく黒凱騎士団最強の英雄。
彼が何とかしてくれるのではないかと心のどこかで頼りきっていた。

それでも彼女は自分が誰かに頼ることを拒絶した。シリウス卿は彼女にとっても尊敬に値する存在だが、頼りきっていては自分の騎士としての誇りを失ってしまう。そう思った。

「レイン、なにか武器を持ってないか?」
「拳銃が一丁あります!」
「わかった、それを貸してくれ」
「分かりました」

レインが出した拳銃はどうやら聖別されているらしく、金色に輝いており、装飾がされていた。
聖別されたもの、つまり聖物は、通常のものよりも高い威力を出すことができる。それは神からの粛正。あるいは天罰。
やはり彼女は黒凱騎士団の幹部にいてもおかしくない逸材なのだ。

「人の気配がします」
「二階か?」
「金品を漁っているのかもしれません」

本当にそうだとしたら敵はひとつに絞られる。

「集団による暗殺……」
「敵は複数と言うことですね」

二階でチリチリと金物の音がする。声を潜めながら二階への階段をのぼる。
レインから拳銃借りたために、俺にはひとつ不安があった。彼女に奴らを殲滅するための武器は在るのだろうか?
もし丸腰だったら俺は彼女も守ってやらないといけない。

するとその不安を読み取ったのか、

「私なら安心してください。聖槍を体に宿していますので」

と、驚くべき一言を言った。

「聖槍使い?本当なのか!」
「あまり大声を出さないでください、シリウス卿。私は聖槍を"所持している"と言ったんです」

"聖槍"。ローマ帝国のコンスタンティヌス帝やフランク王国のシャルル一世も所持していたというそれは、発見されていないものがいくつかある。
それを彼女は"持っている"と言ったのだ。

「細かいことは後程……今は敵の殲滅が最優先事項です。先を急ぎましょう」
「……そうだな」

聖槍出現!!!!!
<2016/09/23 09:18 双翼らいず>消しゴム
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