「そして時は動き始める」
気付くと周りは植物の楽園となっていた。奥へ続く道、そこに羽ばたく一匹の蝶。走り出す、奥へ向かって。ハルノ君に向かって。棘ある葉に手を切られても、胸に笛が当たっても、鏡が月明かりに光っても。
やがて広場のような開けた場所に出る。奥には鳥籠のようなものがあり、中には一匹の吸血鬼がうずくまっていた。
「あなたは人間だよ、だから一緒に行こう?」
嗚呼どうしてこうなったのだろう。僕はいつからこうなったのだろう。僕が消える。自分を学校で見た時のフーゴの顔が浮かぶ。言葉が浮かぶ。
「貴方は本当にジョジョなのですか?」
自分が壊れたら皆を殺めてしまうかもしれない。離れよう。
嗚呼、消える。人間としてのハルノが消えた。
今僕の頭にはあの日が浮かぶ。僕がバケモノに成り果てた日が。
紅い紅い満月のあの日。眠れないで父の部屋へ向かってしまって。血に狂っている。近付くな、テレンス達が言っていたのに。ドアを開けてしまった。次目を覚ませは潮華初流乃は消えていて。吸血鬼、バケモノになっていた。たった一人の肉親に、パードレに血を吸われ尽くして、一人の人間は、人間としての精神は死んだ。
一人の少女に恋をして、その感覚をねじ曲げられて欲望にされて、血を吸って。魂を血で繋いで。二つの人格が入れ替わって。自分を聴いてほしかった。人間に戻そうと薬をくれて。けど吸血鬼としての人格が出て、籠って。届いた言葉が愛しく辛かったから。
「私がなんとかしてあげる」
「あなたは人間だよ、だから一緒に行こう?」
全てぶち壊せと自分が言って。
嗚呼また消したんだ。
心閉ざしたその彼に。私は幼い自分を重ねていたのかも。私は光が射しこんだから心を開いて今の自分がいる。彼の光となろう。吸血鬼を消す光に。日の光に。
静かに笛を唇に当てる。奏でる音色は物悲しくも美しい鎮魂歌。優しい風が花を運ぶ。三日月が照らす繭の中。静かに音は鳴り響く。彼の心を鎮める音は鳴り響く。
気付くと周りは植物の楽園となっていた。奥へ続く道、そこに羽ばたく一匹の蝶。走り出す、奥へ向かって。ハルノ君に向かって。棘ある葉に手を切られても、胸に笛が当たっても、鏡が月明かりに光っても。
やがて広場のような開けた場所に出る。奥には鳥籠のようなものがあり、中には一匹の吸血鬼がうずくまっていた。
「あなたは人間だよ、だから一緒に行こう?」
嗚呼どうしてこうなったのだろう。僕はいつからこうなったのだろう。僕が消える。自分を学校で見た時のフーゴの顔が浮かぶ。言葉が浮かぶ。
「貴方は本当にジョジョなのですか?」
自分が壊れたら皆を殺めてしまうかもしれない。離れよう。
嗚呼、消える。人間としてのハルノが消えた。
今僕の頭にはあの日が浮かぶ。僕がバケモノに成り果てた日が。
紅い紅い満月のあの日。眠れないで父の部屋へ向かってしまって。血に狂っている。近付くな、テレンス達が言っていたのに。ドアを開けてしまった。次目を覚ませは潮華初流乃は消えていて。吸血鬼、バケモノになっていた。たった一人の肉親に、パードレに血を吸われ尽くして、一人の人間は、人間としての精神は死んだ。
一人の少女に恋をして、その感覚をねじ曲げられて欲望にされて、血を吸って。魂を血で繋いで。二つの人格が入れ替わって。自分を聴いてほしかった。人間に戻そうと薬をくれて。けど吸血鬼としての人格が出て、籠って。届いた言葉が愛しく辛かったから。
「私がなんとかしてあげる」
「あなたは人間だよ、だから一緒に行こう?」
全てぶち壊せと自分が言って。
嗚呼また消したんだ。
心閉ざしたその彼に。私は幼い自分を重ねていたのかも。私は光が射しこんだから心を開いて今の自分がいる。彼の光となろう。吸血鬼を消す光に。日の光に。
静かに笛を唇に当てる。奏でる音色は物悲しくも美しい鎮魂歌。優しい風が花を運ぶ。三日月が照らす繭の中。静かに音は鳴り響く。彼の心を鎮める音は鳴り響く。
