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夢の代行記


「...残念ですが、もうあの子は3日と持たない」
「...そんな...」
「王宮治療師でさえ延命出来るかどうかのレベルです...私に出来ることはありません」


壁に耳を当てると、隣の部屋からそんな声が聞こえた。
先程僕を診てくれた旅の治療師の男性と先生の声だ。..."あの子"というのは僕のことだろう。自分でも薄々気付いていたけれど、あらためて言われると心にくるものがある。
「僕、.........死んじゃうんだ」
言葉に出してようやく、理解が追い付いてくる。体に震えが走る。
10日前、元々弱ってきていた足に力が入らなくなり、とうとう立つことが出来なくなった。...3日後には身体全てが思うように動かなくなるのだろうか。
...怖い、嫌だ、死にたくない。
それに僕にはやらなきゃいけない事がある。...それが何なのかは、覚えていないけれど...

僕の名前はアイン。姓はない。僕は5歳位のとき、この教会に拾われたらしい。
何故らしい、なのかというと記憶が無いからだ。僕は教会の前に倒れていて、その教会の中にある孤児院に保護されたものの、名前以外の記憶がすっかり無かったという。何か辛い事があったのかもしれないが、今の僕には関係のない話だ。
そうして拾われた僕が名前の他に唯一持っていたもの...それが"魔眼"だ。
全ての物にはランクという格付けがある。上からS、A、B、C、D、E、F...僕の魔眼はその中でも最高峰に近いAランクの魔眼ー...つまりはとても強力なのだ。
魔眼持ちはそう生まれることはない。ほとんどがD~Fランクで、運が良ければCランクだろう。
Aランクの魔眼を持って生まれる者はほとんど居ない。Sランクは桁が違うので割愛する。


<2016/09/27 21:09 黒鳩>消しゴム
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