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奇跡〜キミと紡ぐ物語〜


私と山口は近場の大きなショッピングモールに来た。

「あ、琴音。あれなんかどう?」
山口は店に飾ってある洋服を指さした。
「えー。あれは私に似合わないわよ。」
私は苦笑しながら山口の意見に否定した。

だって山口が指さしたのはピンク色のワンピースだった。
あんな洋服はホントに可愛い女の子が着るものだ。
(私には到底似合わない。だって私は女と呼んでいいのか分からない存在だしね。)

「そうか?俺は似合うと思ったのになー。」
山口が少しふてくされてそっぽを向いた。
こんなに落ち込む山口がなんとなくかわいく見えた。
1つ上のくせにね。
「ま、でもありがと。私に似合うって言ってくれて。」
私は少し前かがみになって山口に笑いかけた。 すると彼はパアっと表情を変えて
「おう!」
なんてガッツポーズをした。

そして私たちは他愛のない話をしながら買い物を済ました。山口は少し洋服を買っていた。
正直言うと私はセンスがいいなと思った。

そう。今来ている服もそうだが、山口はすごく服のセンスがいい。顔もかっこいいからモテるのも無理ない気がする。
私は山口の横顔をチラッと盗み見る。鼻筋は高くて顎もシュッとしている。

「綺麗な夕日だな。」
山口が夕日を見て小さく呟いた。私も山口が見ている方を一緒に見る。
「そうだね。」
その夕日はホントに綺麗だった。

(あの時あの人に会ったときの雰囲気に似てる気がする。)

私たちはしばらくの間夕日を見ていた。

「ねぇ、そろそろ帰らない?」
私は長く続いた沈黙を破った。
「そうだね。送ってくよ。」
「え?いいよ。」
私は歩き出す山口を少し押して前に出た。そしてゆっくり後ろを向いて私の後ろにいる山口に叫んだ。

「今日はありがと。久しぶりに楽しかったわ!」
私はこの綺麗な夕日に負けないくらい笑顔で言った。いや、叫んだ。

「…っ、おう!俺こそ一緒にいてくれてありがとな!」
山口も白い歯を見せてニカッと笑った。

そして私たちは温かな夕日の光に包まれながら解散した。
この日は私にとってすごく楽しい思い出だった。

<2017/03/28 19:45 三恵>消しゴム
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