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奇跡〜キミと紡ぐ物語〜


「……ん…。」
私が目を覚ますと目の前には天井が広がっていた。
私は保健室のベッドに寝かされていた。

「よいしょ……!いたっ!!」
起き上がったその時、私の肩に激痛が走った。肩だけではない。足や手など私の身体には包帯が巻き付けてある。

(あぁ、そうだ。私はあの女どもに屋上でリンチされたんだったな。)
ぼーっと考えながら手首に巻いてある包帯を見た。

私の身体には、幼少期に付けられたたくさんの傷が残っている。今回の傷は幸い、跡には残らなさそうだ。

私はホッと胸を撫で下ろし、再びベッドに横になった。

『傷の数ほど人は強くなれる』
アニメや漫画などによくある台詞だ。しかし、私は人間誰しもがそうはなれると思わない。人間には、何度傷を付けられてもそれに耐えて強くなる者とその傷に耐えきれず自ら生命を絶つ者がいる。

私の場合は…正直を言うとよく分からない。

以前の私なら何の迷いもなく“前者”だと答えただろう。たが、アイツと…山口日向と出逢って自分が分からなくなってしまった。

最近の私はおかしかった。自分でも笑えるぐらい。
気づけば私の頭の片隅にはアイツが居て………。

アイツの事なんて最初は、めんどくさくて、変な男だと思っていた。けど、それは違った。アイツ…山口はものすごく真っ直ぐなのだ。私と似たような悲しげな瞳をしているが、とてもその瞳から反射する輝きはとてもとてもキレイなのだ。

私は山口と居てとても楽しかったのかもしれない。
本当に久しぶりに『楽しい』という感情を持った。

(だから、もう、これで終わりにする。)

私は不幸を呼ぶから、アイツと一緒にいてはいけない。
いや、いる資格すら無いのだ。

私は心の中で誓った。

“山口日向とは縁を切る”と。

<2017/04/06 18:48 三恵>消しゴム
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