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妖精王の罪 第11話
- その約束が果たされる時≪七つの大罪≫ -


「キング、どこにいったんだろう?」
七つの大罪の一人、ディアンヌは、ある人物を探していた。
「ディアンヌ!」
振り返ると、探していた人物とは違ったが、友人の顔を見つけるとディアンヌは嬉しそうにかけよった。
「エリザベス!」

エリザベスとディアンヌは、街をぶらぶら歩きながら、ガールズトークを始めた。
「エリザベスは、団長のことが好き?」
ディアンヌがそう聞くと、エリザベスは頬を赤く染め、困ったような顔をした。
「…メリオダス様を見るだけで嬉しくなったり、一人でいるときもメリオダス様のことを考えたり、メリオダス様といると、どんな不安も消えるの。」
エリザベスは少しためらいつつも、だがはっきりと言った。
「…好き。あの方と、始めて出会った時から、ずっと」
ディアンヌはエリザベスの言葉を聞くと、優しく微笑んだ。
「そっかぁ。やっぱりね。気持ち、伝えたら?」
「ディアンヌは優しいね。あなただって、団長が好きなのに…」
「…ボクが団長を好き、って思ったのは、ボクを始めて、女の子扱いしてくれたからなんだけど。あんなに、ボクを対等に、ううん、それ以上に、自分を守ってくれたことが嬉しかった。それも、自分よりもこんな大きな女にさ?」
でもね、とディアンヌは続ける。

「むかしむかし、ひとりぼっちの大きな女の子がいました。」
突然昔話を始めたディアンヌに、エリザベスは驚いてその話を聞きいった。
彼女の話は、こうだった。
ひとりぼっちの大きな女の子は、ある日川辺で倒れている男の子を見つけ、その男の子を助けました。二人はしばらく二人で暮らし、彼女が熱をだしたときもその男の子はつきっきりで看病してくれたり、彼女のために服をつくってくれたり、お話をしてくれたりしました。女の子はとても幸せでしたが、一つだけ、不安がありました。
それは、その男の子が今は記憶を失っていて、少しずつ記憶を取り戻し、いつか自分の前からいなくなってしまうことでした。しかし、とうとうその日はきました。男の子は、女の子の前から姿を消し、なぜか女の子は記憶をなくしました。

「…でも、この前の戦いで、死にかけていた女の子を、その男の子が救ってくれたとき…!!」
ディアンヌはぽろぽろと涙をこぼしはじめた。
「全部、思い出したの。全部、全部…。」
「まさか、それって…」
エリザベスは思い当たる節があった。
「なのに、またボクを置いて、どこかに行っちゃった。ボクが、ちゃんと気持ちを伝えなかったから…。どうしよう、このまま戻ってこなかったらどうしよう。」
「こんなにキングが好きなのに…。」
「ディアンヌ…。」
エリザベスは、泣いているディアンヌの手を優しく握った。
「大丈夫よ、ディアンヌ。キング様は、あなたをとても大切に思っていらっしゃるわ。あなたを置いていったのも、きっと何か理由があるのよ。キング様が、あなたの元に戻らないわけがないわ。それは、あなたが一番よくわかってるでしょ?」
「エリザベス…。」
エリザベスの言葉に、顔をあげるディアンヌ。
そして、ごしごしと涙を手で拭った。
「うん、そうだね。ありがとう、ボク、キングを待つよ。」
「そしてキングが戻ってきたら、今度こそ、ちゃんと気持ちを伝えるよ。キングが好きって…。」
ディアンヌはえへへ、と照れ笑いしながら髪で顔を隠した。
「うん!頑張って、ディアンヌ!」
エリザベスが微笑むと、
「エリザベスも頑張るんだからね!」と言った。
「そ、そうね!」
二人はそう言って笑いあった。

彼らの恋路は、まだまだ始まったばかりなのだ。


続きます!
<2016/09/29 22:02 ついんくる>消しゴム
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