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妖精王の罪 第11話



その日の夜はもう遅かったので、団長には明日話すことにした。

ディアンヌは、マーリンが作ってくれた小さくなる薬のおかげで、最近はお店の中で寝ていた。
いつものようにキングがディアンヌを部屋の前まで見送ると、おやすみと声をかけた。
「キング」
いつもならおやすみと返ってくるのだが、今日は違った。
そして恥ずかしそうに顔を赤くして言った。
「今日は…一緒に寝ない?」
「えっ」
キングはもっと顔を赤くして、一瞬フリーズしたが、すぐに我に返った。
「だ、ダメだよ!!」
「どうして?」
「どうしてって…その、まだ、そういうことは、早いんじゃないかな…」
精一杯ごまかすキング。
するとディアンヌは
「もうっ。そうじゃなくて!ただ普通に一緒に寝ようって言ってるの!」
「えっ、そうなの⁉︎…あ、いや。ごめん、うん、そうだよね、ははは…。」
勝手に勘違いしたキングは恥ずかしさでどうにかなりそうだった。
「もう、何想像してたの!キングのエッチ!」
といいながら笑った。
「ち、違うよ!まぁ、寝るだけならいいよ。」
慌てて話をそらすキング。

二人は同じ部屋へと入っていった。
同じベッドに入るのは、もちろん始めてだ。
「なんか…緊張するね」
えへへ、と笑うディアンヌ。
「そうだね。昔なら、こんなこと想像もつかなかったな。」
キングは緊張しつつも、今目の前の幸せを感じていた。
「おやすみ、ディアンヌ。」
ディアンヌのおでこに軽くキスをすると、お返しにディアンヌはキングのほっぺたにキスしながら
「おやすみ、キング。」
と言った。
二人はお互いの温もりに幸せを感じながら眠りについた。



翌朝、ホークのいつもの大声で目が覚めた。
「おめぇら起きろー!!!」

「うーん…」
キングが目を覚ますと、隣のディアンヌはまだ眠っていた。
(ディアンヌ、寝顔も可愛いな…。)
しばらくディアンヌの寝顔を眺めていたが、下からホークの声が再び聞こえてきたので、仕方なくディアンヌを起こすことにした。
「ディアンヌ、朝だよ。」
彼女の肩をぽんぽんと叩いてディアンヌを起こした。
「うーん…おはよー…キング。」
ちょっと寝ぼけながらだるそうに体をおこすディアンヌ。
「おはよう、ディアンヌ。」

二人は一緒に下に降りていった。
「おはようございます!二人とも」
エリザベスは朝から元気に挨拶をした。
「おはようございます、エリザベス様」
「おはよー…エリザベス〜」
まだ眠気が残っているディアンヌは目をこすりながら挨拶を返す。
「エリザベス、ボク達も手伝う〜。」
「本当?じゃあ〜…今みんなのパンを焼いているから、焼きあがったらお皿に取り分けて、バターを塗ってくれる?」
「わかった!」
「じゃあオイラはお皿だすね」

ディアンヌは手と顔を洗い、眠気を覚ましてから、手伝いをした。

キングはお皿を並べるためカウンター側にいくと、団長が卵やベーコンなどを並べていた。
「おはよう、団長。それ、調理するの?」
「おっす!そーだぞ!」
「…オイラがやろうか?」
「えっ、お前、料理出来るのか?」
「それぐらいは出来るよ。」
「俺は出来ない!」
「知ってるよ…」
団長の料理音痴は今に始まったことじゃない。

みんなで一緒に、朝食を用意し、席についた。
お酒を飲みながらカウンターで寝てしまったバンをたたき起こし、いつの間にかいたマーリンとゴウセルも席についた。

「「いただきまーす」」
みんなで朝食を食べた。

そしてそろそろ食べ終わるかという頃に、キングは話を切り出した。
「ねぇみんな。オイラ、森に帰ろうと思うんだ。」
唐突なキングの声に、事情を知らないみんなはポカンとキングの顔を見つめた。
「はぁ?なんで今更」
バンがすぐさまそう言った。
この前団長に言った理由を大まかに説明したキング。
「ふーん…ま、いーんじゃねーの♪そーすりゃー森で眠ってるエレインも、少しは安心できるだろ♪」
みんな特に反対もしなかったので、キングは安堵した。
するとディアンヌが突然立ち上がって
「それでね!ボクもキングと一緒に行きたいの!」
「ええっ⁉︎」
真っ先にエリザベス様が驚きの声をあげた。
「おいおい、それは聞いてねーぞ?」
団長が困った顔で言った。
「今日言おうと思ってたの!ボク、キングと一緒に森で暮らしたいの。」

「いーんじゃね♪ 別に何か困るわけでもねーだろ♪」
「んーにゃ、看板娘が一人減るという大損害がある。」
「ディアンヌの代わりに、俺が看板娘をやってやろう。」
決めポーズをするゴウセル。
「却下」
「まぁしゃーねぇ。ダメだとか言える権利なんかないしな。やっとキングの念願も叶うわけだし?応援してやるよ。にししっ」
「ほんと⁉︎ありがと〜!団長!」
ディアンヌはぱあぁっと顔を明るくしてそう言った。
「みんな、ありがとう。」
キングもお礼をいった。
「ディアンヌ、私は寂しいわ…、でも、今のディアンヌ、とても幸せそう。だから、寂しいけど、応援してるからね!」
エリザベスは半泣きでそう言った。
ディアンヌはエリザベスを思いっきり抱きしめると
「ありがとう」
と言った。

こうして、二人は妖精王の森で暮らすことが無事決定した。
そして数日後、仲間に見送られ、二人は森へと旅立っていった。

続きます!
<2016/10/18 12:08 ついんくる>消しゴム
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