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イナズマイレブン~赤髪の死神~
- 第82話ありがとう -

ドゴオォォォンと言う爆音が静けさがあるグラウンドに響き渡る、地震に似た揺れに皆慌てていた。
すると、パラパラ・・・と何かが落ちて来た天井を見ればさっきの反動のせいか瓦礫が今はまだ小さいが落ちて来ているのだ。

「皆出口へ!」

秋の言葉に皆が近くの通路に入ろうとするが大きな瓦礫が落ちて来て脱出経路が塞がれた、これじゃあエイリア石と一緒に死んじまう・・・。
皆此処でエイリア石と心中してくださいと言われている様なものだ、早く逃げ道を探さないと僕は怖さの余りにしがみ付いているルルの頭を撫でながら辺りを見回す。
その時だった。

「皆! 早く乗るんだ!」

「古株さん!」

古株さんがキャラバンを飛ばしてやって来た、僕や秋達はキャラバンに入ってくれと玲名達に言う、これで全員かと思ったが僕の視界にずっと座っている父さんが目に入った。
僕はルルを玲名に任せて父さんの元へ行く。

「「父さん!!」」

ドームを見ればもういつ壊れても良い状態になっていた、早く父さんをキャラバンに運ばなきゃ・・・! 皆が・・・。
ヒロトもそれが分かってか早く行こうと手を差し伸べていたが、父さんは首を横に振る。

「私の事は・・・いい、私はエイリア石の最後を見届ける。お前達に対してせめてものの償いだ」

父さんの言葉を理解すると僕は顔を真っ青になるのが感じた、つまり・・・父さんの最後は此処で迎えると言う事・・・? そんなの嫌だよ・・・。

「何バカな事言ってんだ!!」

円堂が父さんに向かってそう言った、僕とヒロトはジッと円堂を見た。

「こんなところで死んでどうすんだよ!! そんな事して霊歌やヒロト達が喜ぶ訳ないだろ!! まだ分からないのか!? 皆には!! あんたが必要なんだよ!!」

円堂の言葉が終わるとヒロトは父さんの目線と合わせるようにしゃがんだ、ヒロトの顔には薄らと涙が浮かべられていた。
僕も父さんと目線を合わせるようにしゃがみ、父さんの手を取った。

「行こう・・・父さん・・・」

「! こんな酷い事をしたのに霊歌、ヒロト、お前達だけは許してくれると言うのか?」

「「うん」」

僕とヒロトは父さんの手を引いてキャラバンへ急ぐ、そして、危機一髪グラウンドを抜け出したが此処からの脱走劇は酷いものだった、何度も死ぬんじゃないかと思ったがキャラバンは無事エイリア学園を抜けて安全な場所に居た。
僕はエイリア学園を見据えながら円堂達を見る、これで円堂達との長い長い旅も終わるんだ・・・。
そう思うと切なくなる・・・。
すると、ヒロトの声が聞こえて振り向くと父さんが警察の人と一緒にパトカーへ入ろうとしていた。

「父さん、俺ずっと待ってるよ! 父さんが帰って来るまでずっと待ってるよ!」

「ヒロト・・・」

「父さん・・・僕も待ってるよ! 父さんと初めて会ったお日さま園でずっと皆で待ってるよ!」

「霊歌・・・」

父さんは小さな優しい笑みを浮かべるとパトカーへと入って行った、そして去りゆくパトカーを見ながらヒロトは行っちゃったねと言い、僕も行っちゃったねとヒロトの手を握り締めた。

「さあ、君達も・・・」

きっとこの後の事は皆想像しているだろうな、僕達は皆孤児で父さんが居てくれたから此処まで生きて来られた、だけど、今その父さんが捕まってしまえば今後の事を話す為姉さんと一緒に警察署に行くのだ。
僕とヒロト以外の皆は護送車へと歩いて行く。

「響監督・・・後の事を任せていいでしょうか? ヒロトと霊歌達の傍に居たいんです」

「あぁ・・・」

姉さんは皆の方に行くと皆にお礼を言ってヒロトと僕の方に来て手を差し伸べた、ヒロトが姉さんの手を握り締めると僕は姉さんの方を見る。

「姉さん・・・僕円堂達に言いたい事があるんだ」

「そう・・・」

僕は先に行く様に姉さんに言って皆の方を見る、もう・・・兄さんの事も家族の事も今までどんな扱いをされたかも円堂達に話せる。

「円堂・・・皆・・・僕、皆と別れる前に伝えたい事があるんだ」

「え?」

「僕ね、今まで失敗作だったんだ。家族や親戚や皆にいつも失敗作って笑われてた、それが怖くて人も信じられなくなったたった1人だけ・・・信じられる家族が居た。それが、緋音霊斗。僕の兄さんだった、兄さんと居るだけが僕の癒しだった」

僕の語る言葉に皆は驚きながらも聞いてくれた。

「でも、兄さんは行方不明となった。それを境に家族の虐待を受けて右目は失明。それ以来本当に人が醜くて信じる事さえ無理だった・・・。でも、あんた達やヒロト達のおかげで僕は仲間の大切さを思い出した・・・。皆、本当に・・・ありがとう!!!」

「! おう!! でも、さよならじゃないぞ」

「え?」

「またな! だ」

円堂の言葉に僕は大きく頷いて握手を求めた、円堂はそれを快く受け入れた。
そして僕は護送車へと足を運んだ。
最後まで・・・ありがとうね、皆・・・。

続く

護送車で警察署に向かう元・エイリア学園の者達。
護送車の中で霊歌は家族の大切さを元・エイリア学園の者達に語る。
そこで知らされる凶報とは・・・?
<2016/11/30 21:58 死神>消しゴム
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