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牧野ちゃんは計算高い
- 牧野ちゃんと歌声 -

女子というものは、内容がどうであれど恋愛事情に何かと首を突っ込みたがる人が多いようだ。
現に私もそうであるのだ。
つまり、私が先輩のことを好きだということは、特定の女子は知っている。
ただ、この幼馴染が他と一味違うのが、私が異常なまでの先輩へ対する愛情表現を知っているということである。
「誰に向かって説明してるの?美優ちゃん」
「誰かって?そう!今目の前に居るそこのあなたです!」
「僕はその話、説明されなくても分かりきったことなんだけど……」
「お前じゃないぞ清瀬!」
どうも清瀬は理解が出来ていないようだ。
これだから、私の幼馴染は。
頭の良さそうな見た目をしておいて、実際には全然そんなことはない。
もっとも、高性能なんてお世辞でも言えない。
「……今、失礼なこと考えた?」
「いえ、なにも?」
「そう……」
しかし、こういうところは鋭いのだ。
確かに、現実社会の中では需要のあることでもあるが。
だからと言って、そこを勉強面に少しでも活かせないものか。
「またなんか失礼なこと……」
「思ってなぁいよ〜♪」
何故かリズミカルに言ってしまった。
我ながら、中々良い音階であったと言えるだろう。
皆は私のことを「地獄の歌声。“阿鼻叫喚を超えるハーモニー”」という異名を貰った。
どこにそんな地獄要素があるというのだ。
むしろ天国に近いはずだ。
なんなら、「天国の歌声。“天使より美しきハーモニー”」という異名を貰っても良かったはずだ。
「天国……まぁ、あながち間違ってもいないかな」
「でしょぉ⁉︎ほら!幼馴染はわかってくれる!」
「天国にしろ、地獄にしろ。どちらも死んでしまうんだからね」
「私の歌に殺傷能力があると言いたい訳⁉︎」
だったら、小学1年生の私は「アイドルになる!」と意気込んでいた私は一体……
「ん〜……少なくとも癒す方ではないかな」
「考え直した上で言わないでくれる⁉︎」
それこそ、殺傷能力を発動しかけたではないか。


「いや、やっぱアンタと2人で登校するのは体力使うわ」
「僕も大分使うけどね……先輩がいる日は」
悲しそうに目線を落とす清瀬。
なんだそりゃ。私が悪いみたいじゃあないか。
※悪いのは牧野である。
「牧野ちゃんおはよー……」
「どしたのキミちゃん死にそうな顔して……」
片江 君香(かたえ きみか)。通称キミちゃん。
バレー部である彼女は、持ち前の長身でエース的ポジションを獲得している。
快活そうな黒髪ショートや、アーモンド型の青い瞳は彼女の明るさ、そして真面目さを表していた。
「なにが、あったの?キミちゃん」
私が尋ねれば、キミちゃんは表情を引き締めた。
そして、一呼吸おいて、口を開いた。

牧野ちゃん、どんどんアホの子になっていく。
次回、キミちゃんがなんか凄い。
<2016/10/20 19:59 錯乱咲良>消しゴム
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